東ハゼ町(東ハゼ町)·西ハゼ町(にしハゼまち) (香川県高松市)
日本初の片仮名地名になったのは、漢字が難しかったから
地名といえば、圧倒的に漢字表記が多いのはいうまでもないが、四国の香川県高松市内には「東ハゼ町」「西ハゼ町」という町がある。
地名といえば、圧倒的に漢字表記が多いのはいうまでもないが、四国の香川県高松市内には「東ハゼ町」「西ハゼ町」という町がある。
ここは、日本ではじめて片仮名の町名にしたところである。
この「ハゼ」という名前は、一九四〇(昭和十五)年に、正式に誕生した。郡部の町村が合併して市域を拡大した際に、鷲田村を小さく分けたのだが、新しい名前については「櫨ハゼ」とすることにした。
櫨は秋の紅葉が美しい広葉樹で、昔からこの地域が「ハゼ」と呼ばれていたため、それにちなんで選ばれた文字である。ハゼという名前の由来は、この地でいまから一五〇〇年~一六〇〇年ほど前に、「はじ」という土器をつくっていたためという説もあるようだ。
ところが、いざ「櫨町」に決定しようとしたところ、「それでは難しすぎて読みにくいし、ましてや書くことなどは不可能だ」という声があがった。そこで、当時の高松市長が片仮名で「ハゼ町」と表示することに決定したのである。
片仮名なら、難しい漢字よりおぼえやすいのは間違いない。
近頃の政治家の演説でも、片仮名がよく連発されるが、片仮名流行の昨今の風潮を先取りしたネーミングといえるかもしれない。