ポンポン山 (ポンポンやま) (京都府・大阪府)
京都と大阪の境界には、冗談みたいな名前の山がある
子どもの絵本を読んでいるときなら、まったく気にはならないと思うのだが、ちゃんとした地図に出てくると非常に気になるのが、この「ポンポン山」という地名だ。
通称や俗称ではなく、国土地理院発行の地図にも京都府と大阪府の境に正式に出ているポンポン山。天気がよければ、山頂から琵琶湖までが見渡せる、とても見晴らしのいい山だ。
この地名の由来は、登頂してみるとよくわかる。山の頂上で足踏みをすると、〝ポンポン〟という音がするのだ。山頂の看板には、「この山は正しくは加か茂も瀬せ山といいますが、標高六七九メートルの山頂に近づくにつれて足音がポンポンと響くことから、通称ポンポン山と呼ばれています」と書いてある。
では、なぜそんな音がするのかという原因、まだハッキリとは解明されていない。
地下に鍾乳洞があるからという説や、地層内部に空洞があることを理由とする説、そして、山頂近くにある石灰岩の切り出し場の影響によるものだとか、どれも決定的な説はない。
ちなみに、ポンポン山という地名はこの一か所だけでなく、北海道川上郡や埼玉県比企郡にもある。まるで、童話にでも出てくるようなそのかわいらしい呼び名が人々に愛されて、正式名にまで昇格したというところだろうか。