①土器:上層階級で朝鮮半島系の技術による須恵器〈すえき・青みがかった灰色〉が用いられる。庶民は弥生土器の流れを引く土師器〈はじき・黄褐色・赤褐色〉を使用する。
②儒教の伝来
4~5世紀、王仁〈わに〉が百済〈くだら〉から「論語」・「千字文〈せんじもん〉」(習字の手本)を伝える。
513年、百済より五経博士(易経・詩経・書経・春秋・礼記の五経に詳しい学者)の段楊爾が来日する。
③仏教の伝来
百済の聖明王〈せいめいおう〉が欽明〈きんめい〉天皇に経典〈きょうてん〉・仏像を贈る(538年or552年)
渡来者(技術者)の支持を得るため蘇我氏が仏教を保護する。
「異国の神」として理解され、民族宗教と並ぶ呪術的役割(病気の治癒〈ちゆ〉、天災の防止など)を期待される。
ウ 民族宗教
①農業耕作の順調な進行を保障するための、集団的な儀礼(祭り)を中心とする宗教。中世以後、仏教や儒教の理論を取り入れて神道〈しんとう〉と呼ばれる。
村の「鎮守〈ちんじゅ〉」の春秋の祭り:一村全体の集団的年中行事として行われる。
鎮守:一定の地域で、その地を守護する神。また、その神社。
支配階級の間でも、農耕儀礼が国家の公〈おおやけ〉の行事として行われる。
祈年祭〈としごいのまつり〉:春の農耕の開始にあたり、収穫を祈る。
新嘗祭〈にいなめのまつり〉:秋の収穫の時期において、収穫を感謝し、来年の収穫を祈る。
②民族宗教における神
人・鳥獣・山川草木やその他、普通でなく、畏敬〈いけい〉の対象となるものはすべて「カミ」となる。 動物・自然物・人工物などが呪力と関係あるものとして、神霊を媒介〈ばいかい〉する力があると見られるとともに、それ自体が神であると考えられた。また、大王・豪族の祖先も神(氏神〈うじがみ〉)とされた。
③呪術的風習
禊〈みそぎ〉:身に罪または穢〈けが〉れがあるとき、また、重要な神事などの前に、海・川などで、水で身を洗い清めけがれを落とす。
祓〈はらえ〉:禊以外の方法で穢れを落とすこと。塩で清めたり、榊〈さかき〉の枝で払ったりする。
穢れ:自然の中にあって病気・不幸などを引き起こす不浄なもの。死体・出産中・月経中などに発生するとされる。
太占〈ふとまに〉:鹿の肩の骨を焼き、骨のひび割れの形を見て吉凶を占う。
盟神探湯〈くかたち〉:正邪を判定するため、神に誓って熱湯に手を入れて探らせる。
神がかり:神の霊が巫女に乗りうつって託宣〈たくせん・神の告げる言葉〉を伝える。