明治時代までの文化は上流階級など一部の限られた人々が中心となって広まったものですが、大正文化は広く大衆により支えられました。
これは義務教育が普及し、進学率も高まったことで新聞、雑誌、映画などのマスメディアが発達したことが影響しています。
発行部数が100万部を超える新聞もあらわれ、1925年(大正14年)にはラジオ放送も始まりました。
大正文化のポイント
文化の大衆化
新聞、雑誌などマスメディアの登場
白樺派、プロレタリア文学、大衆文学など多様な文学
円本(定価1円の本)のブームなどにより、小説が大衆のあいだでも読まれるようになりました。こうしたなかで芥川龍之介や江戸川乱歩らが活躍し、小林多喜二らによりプロレタリア文学がつくられました。
大正文化の代表的作家
芥川龍之介 … 「羅生門」
谷崎潤一郎 … 「刺青」
志賀直哉 … 白樺派。「暗夜行路」
武者小路実篤 … 白樺派。「人間万歳」
小林多喜二 … プロレタリア文学。「蟹工船」
江戸川乱歩 … 探偵小説
白樺派と呼ばれた人たちは人道主義・理想主義を掲げていました。また、労働者の厳しい生活や貧困を扱ったのがプロレタリア文学です。