天平文化は、奈良時代の文化で聖武天皇の頃(8世紀初め)に最も栄えたので、このときの年号から天平文化と呼ばれています。
7世紀の飛鳥文化と同様に仏教を中心とした文化で、中国大陸だけでなく西アジアや南アジアの影響もうけた国際色豊かな文化となっています。
奈良時代に数回にわたり派遣された遣唐使が持ち帰ったものが天平文化に影響を与えたことが特徴です。
天平文化のポイント
仏教中心
国際色豊か
遣唐使の影響
国分寺、東大寺大仏による政治の安定
古事記、日本書紀など国の由来に関するもの
天平文化は日本という国が出来上がるときの文化ともいえます。
聖武天皇は各地に国分寺・国分尼寺を建て、奈良には東大寺の大仏を建立することで政治の安定を目指しました。
また、日本という国の由来をあきらかにするために「古事記」と「日本書紀」の歴史書がつくられたのもこの時代です。
ちなみに、古事記と日本書紀では「キ」の字が異なります。古事「記」と日本書「紀」です。記述が多い定期テストでは間違えないようにしましょう。
天平文化の代表的建造物、書物など
東大寺大仏 … 聖武天皇が建立。
正倉院 … 東大寺の倉庫で聖武天皇が使用していたものなどが収められている。
古事記 … 歴史書。神話、伝承なども含まれる。
日本書紀 … 歴史書。中国の歴史書の体裁で書かれている。
風土記 … 各地の産物や自然、伝承などを記したもの。
万葉集 … 約4500首の和歌。天皇から庶民の歌までが収められている。
貧窮問答歌 … 山上憶良によるもの。庶民の苦しい暮らしを詠んだもの。
古事記は712年に完成した日本最古の歴史書で神話の時代から推古天皇の時代までが記されています。
江戸時代に、この古事記を研究したのが本居宣長で、「古事記伝」を記し、国学を完成しました。(こちらも定期テストでよく出るので覚えておきましょう。)