2017-02-27 解説吉田健一 大岡昇平氏の作品を読めば読む程、日本の現...
2017-02-27 三九 死者の書 或いはこれもすべて私の幻想かも知れないが...
2017-02-27 三八 再び野火に もっともこの手記は元来、医師の薦めによ...
2017-02-27 三七 狂人日記 私がこれを書いているのは、東京郊外の精神...
2017-02-27 三六 転身の頌「やい、帰って来い」 と声がした。振り返る...
2017-02-27 三五 猿 明方から雨になった。永松の造った萱の屋根は、巧...
2017-02-27 三四 人類 日が暮れ、焚火の火の赤さが増した。安田と永松...
2017-02-27 三三 肉 足の先まで冷さが走るのを感じ、私は我に返った。...
2017-02-27 三二 眼 もし私が神に愛されているのがほんとなら、何故私...
2017-02-27 三一 空の鳥 或る日轟音が空に響いた。大型爆撃機の編隊が...
2017-02-27 三〇 野の百合 私は降りて行った。雨があがり、緑が陽光に...
2017-02-27 二九 手 私はその将校の屍体をうつ伏せにし、顎に水筒の紐...
2017-02-27 二八 飢者と狂者 いくら草も山蛭も食べていたとはいえ、そ...
2017-02-27 二七 火 行き暮れた中世の旅人が、一つ道の行きどまりに門...
2017-02-27 二六 出現 その道が白く明けて行くのを、私は丘の頂の叢か...
2017-02-27 二五 光 雨は依然として湿原を曇らせつつ、次第に暗くなっ...
2017-02-27 二四 三叉路 レイテ島北部の地勢は、脊梁山脈が東タクロバ...
2017-02-27 二三 雨 それから雨になった。生物の体温を持った、厚ぼっ...
2017-02-27 二二 行人 さらに二、三本を倒して根芋を取り、僚友になら...
2017-02-27 二一 同胞 最後の林を出端れると、私は切り開かれた畠の斜...