2017-02-27 二〇 銃 男が遁れ去った以上、私は村に留ることは出来なか...
2017-02-27 十九 塩 いつか私は眠っていた。長い苦しい眠であった。眼...
2017-02-27 一八 デ・プロフンディス 私は屍体の群を迂回し、会堂の階...
2017-02-27 一七 物体 会堂の階段の前の地上にあった数個の物を、私が...
2017-02-27 一六 犬 扇状に拡がって、ゆるく海へ傾いた斜面は、三十軒...
2017-02-27 一五 命 明るさは急速に増しつつあった。林に行き着き振り...
2017-02-27 一四 降路 その時私のいた丘の高さは約三百米、海岸までの...
2017-02-27 一三 夢 その夜私は夢を見た。 私は既にその村に歩み入っ...
2017-02-27 一二 象徴 それから毎日、倒木を渡ってこの斜面に坐り、海...
2017-02-27 一一 楽園の思想 こうして私は飽満の幾日かを過した。周囲...
2017-02-27 一〇 鶏鳴 二日の後、私はその椰子の林を去った。立ち上る...
2017-02-27 九 月 さらに幾夜かがあった。中隊を出る時三日月であった...
2017-02-27 八 川 幾日かがあり、幾夜かがあった。私を取り巻く山と野...
2017-02-27 七 砲声 次に眼を覚したのは、砲声によってであった。夜は...
2017-02-27 六 夜 夜は暗かった。西空に懸った細い月は、紐で繋がれた...
2017-02-27 五 紫 日は暮れて来た。空は夕焼して赤い色が天頂を越え、...
2017-02-27 四 坐せる者等 病院の附近は、住民の開墾した玉蜀黍畑が草...
2017-02-27 三 野火 私はいつか歩き出していた。歩きながら、私は今襲...
2017-02-27 二 道 部落の中はアカシヤの大木が聳え、道をふさいで張り...
2017-02-27 一 出発 私は頬を打たれた。分隊長は早口に、ほぼ次のよう...