一
ある日の事でございます。
やがて御釈迦様はその池のふちに
するとその地獄の底に、



御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、この

二
こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていた


ところがある時の事でございます。


こう思いましたから

しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら

すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。


そこで

その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急に


後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。
三


しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には
(大正七年四月十六日)
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