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名探偵登場

时间: 2023-09-13    进入日语论坛
核心提示:名探偵登場小林、井上の二少年が、ひとりの紳士をたすけて、カニ怪人のすみかを、ぬけだした、ちょうどそのころ、岩谷美術館の館
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名探偵登場


小林、井上の二少年が、ひとりの紳士をたすけて、カニ怪人のすみかを、ぬけだした、ちょうどそのころ、岩谷美術館の館長室には、館長の古山博士と、警視庁の中村警部と、私立探偵の明智小五郎の三人が、テーブルをはさんで、はなしあっていました。
美術館の陳列品が一夜のうちに、ねこそぎぬすまれるという、とほうもない事件がおこり、いくらしらべても、そのやりかたがわかりませんので、古山博士が、明智探偵の知恵をかりてはどうかといいだし、中村警部が、友だちの明智探偵をつれてやってきたのです。
古山博士は、いままでのことを、くわしく、明智探偵にはなしました。
まずさいしょ、古山博士の自宅へ、カニ怪人があらわれ、書庫の中の推古仏をぬすんで、そのまま消えうせてしまったこと。
それから、美術館の庭や地下室のコンクリートの床から、カニ怪人がわきだすようにあらわれたり、消えたりしたこと。そして、一夜のうちに、美術品がねこそぎぬすみさられたことなどを、じゅんじょをおって、はなしました。
その話が、おわったころ、ドアがひらいて、ひとりの警官がはいってきました。そして明智探偵のそばによって、なにかささやきました。美術館のまわりには、まだ、数人の警官が見はりをつづけているのですが、この警官はその中のひとりでした。
「ちょっと、失礼します。」
明智探偵は、そういって、警官といっしょに、部屋を出ていきました。
どこへいったのでしょう。ひどく、てまどるようです。やがて十分もたったころ、やっと明智探偵が、かえってきました。
明智はみょうな顔をしていました。なんだか、くるしそうです。なにかをじっと、がまんしてるようです。
しかし、もうがまんができなくなりました。名探偵は、おかしくてたまらないというように、いきなり、わらいだしたではありませんか。
「ハハハハ……、いや、しつれい。あまりおかしいものだから、つい、わらってしまいました。古山博士、それから中村君、大笑いだよ。日本じゅうの、いや、世界じゅうの大笑いだよ。」
古山博士と中村警部は、あっけにとられて、明智探偵の顔を見つめました。なにがおかしいのか、すこしもわからないからです。
「新聞がだまされたのです。いや、われわれみんなが、だまされたのです。あいつは世界一の奇術師です。ふしぎなすい星があらわれたのは事実です。しかし、そこにカニのような怪物がすんでいるなんて、うそっぱちですよ。千葉県の海の中からあらわれたやつ、それから東京をさわがせたやつは、すい星人ではなくて、地球の人間にすぎません。
あのすい星があらわれたのを、さいわいに、すい星人にばけて、世界をあっといわせようと、たくらんだのです。じつに、とほうもない考えです。
新聞が、そのたくらみに、ひっかかりました。そして、世界じゅうの、うわさの種になったのです。この大奇術を考えだしたやつは、さぞ、とくいがっていることでしょう。世界をだましたのですからね。大笑いですよ。世界じゅうの大笑いですよ。」
明智探偵は、そういって、また、わらいだすのでした。
しかし、博士と警部には、なにがなんだかわかりません。
「しかし美術館の陳列品を、ねこそぎぬすみだすなんて、人間わざでは、とてもできないことだし、そのほか、説明のつかないふしぎなことが、たびたびおこっている。」
中村警部が、明智の顔を、にらみつけるようにしていうのでした。
「順序をおって、はなしましょう。もう、ぼくには、すべての秘密がわかっているのだ。まず、さいしょのふしぎは、古山博士の書庫から、カニ怪人が消えうせたことですね。」
明智がそこまでいったとき、いきなりドアがあいて、三人の警官がはいってきました。そして、明智探偵の目のさしずにしたがって、入口のドアと、二つの窓の前に、ひとりずつ立ち番をはじめました。だれも、この部屋から、にげだせなくなったのです。
それにしても、これは、いったい、どうしたわけでしょう。この部屋には、古山博士と、中村警部と、明智探偵の三人だけで、にげださなければならないような人は、だれもいないではありませんか。
「カニ怪人が、書庫から消えたわけを、おはなしします。」
明智がつづけました。
「カニ怪人は、うすいプラスチックでできた、よろいのようなものをきていて、中には人間がはいっていたのです。ですから、てばやく、そのよろいを、ぬいでしまえば、人間にもどるわけで、そこに、あいつの手品の種があったのです。
カニのよろいは、たためば、ちいさくなるようにできていました。書庫には木の箱がたくさんおいてあります。あいつは、大いそぎで、その木箱のひとつに、ぬすんだ推古仏と、おりたたんだカニのよろいとを、かくしたのです。
あとで、みんなが、書庫の中を、くまなく、さがしました。カニ怪人が、かくれていないかと、さがしたのです。本だなの本のうしろまで、さがしました。しかし、カニ怪人がはいれそうもない、小さな木箱などは、しらべなかったのです。あいつの、おもうつぼにはまったのです。では、カニのよろいをぬいだ犯人は、どこにいたのか。それは、みんなが書庫の内がわの、観音かんのんびらきのとびらを、おしあけてはいっていったとき、とびらのうしろにかくれていて、みんなが書庫のおくをさがしているときに、あとからきたような顔をして、姿をあらわしたのです。
あのとき、さいごに、書庫へはいってきたのは、だれでしたか。」
「それは、わたしでした。わたしは、あのとき、母屋にいたので、庭にいた刑事さんたちより、ちょっと、おくれたのですよ。」
「ところが、あのとき、あなたが、母屋にいたかどうか、だれも見ていたものはありません。カニのよろいをきて、庭の土をほって、半分ほどからだをうずめ、そこから、はいだしたように見せかけて、書庫にはいり、てばやく、カニのよろいをぬいで、かくしてしまえば、それでよかったのです。」
「ハハハハ……、これはおかしい。きみはなにをいいだすのです。あのぬすまれた推古仏は、わたしの美術館のものですよ。自分のものを、自分でぬすむなんて、そんなばかなことが、ハハハ……。」
古山博士が、あきれたように、わらいだしました。
「そうです。だれでも、そうおもいます。自分で自分のものをぬすむやつはありません。しかし、あいつは、そこにつけこんで、魔法をつかってみせたのです。妖星人Rというふしぎな生きものが、地球へやってきたとおもわせようとしたのです。
ところで、第二のふしぎな事件は、あなたがたも、ぼくも見ていません。これを見たのは、井上君という少年探偵団員です。その井上君をここに呼びましょう。」
それをきくと、古山博士が、ギョッとしたように、いすから立ちあがりました。
「博士、おちついてください。まだ、ぼくははなしはじめたばかりです。これから本題にはいるのです。いすにかけてください。」
古山博士は、青ざめた顔で、部屋の中を見まわしました。入口にも、二つの窓にも、つよそうな警官が立ちはだかっています。とてもにげだすことはできません。
明智探偵がドアの前に立っている警官に、あいずをすると、警官はドアをひらいて、廊下にまっていた、ふたりの少年を、中にいれました。小林君と井上君です。怪人のすみかをぬけだしたときのカニのよろいはぬいで、ふだんの服をきていました。
古山博士は、少年たちの姿を見ると、
「あっ、しまった。」というような表情でキョロキョロと、あたりを見まわすのでした。
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