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怪電話

时间: 2023-09-13    进入日语论坛
核心提示:怪電話日本じゅうが、いや、世界じゅうが、笑いにつつまれるときがきました。妖星人Rのカニ怪人が、日本にあらわれたことは、世
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怪電話


日本じゅうが、いや、世界じゅうが、笑いにつつまれるときがきました。
妖星人Rのカニ怪人が、日本にあらわれたことは、世界じゅうの新聞にのせられたのです。そのカニ怪人が、じつはにせもので、怪人二十面相という宝石どろぼうが、ばけていたのだとわかったときには、世界じゅうがあっとおどろき、あまりのことに、笑いだしてしまったのです。
中村警部は、二十面相を警視庁へつれていくのに、普通の自動車では、安心ができないと思ったので、電話で、げんじゅうな犯人護送車をよび、二十面相に手錠をはめ、ふたりの警官をつきそわせて、その護送自動車にのせることにしました。
護送車が出発すると、明智探偵と、中村警部と、のこったひとりの警官とは、美術館の中を、あるきまわって、二十面相の部下が、どこかにかくれていないかと、しらべましたが、なにも発見することはできませんでした。
館内をしらべおわったとき、明智探偵は、ある部屋の窓の外をのぞいていましたが、なにをみつけたのか、あっと声をたてました。
「明智君、どうしたんだ。」
中村警部が、おどろいてたずねます。
「あれをみたまえ。あそこに物置小屋がある。そのやねの下に、電線がひっぱってあるじゃないか。あれは電灯線ではない。電話線のようだ。物置小屋に電話線がひいてあるのはおかしいね。」
こちらの部屋の電灯が、ガラス窓をとおして、むこうの物置小屋をボンヤリてらしています。そのやねの下に、かすかに電線が見えているのです。
「いってみよう。」
明智はいいすてて、部屋をとびだしていきました。中村警部と警官も、そのあとにつづきます。
庭へ出て、物置小屋へいくと、明智はいきなり、その小屋の戸をひらきました。
「やっぱりそうだ。ここに電話器がある。」
明智が、さけびました。
物置きのすみに、電話器がおいてあるのです。
「きみ、小使をよんできてくれませんか。」
明智のことばに、中村警部のあとからついてきた警官が、むこうへかけだしていきましたが、やがて、美術館の小使さんをつれて、もどってきました。
「ここに、前から電話がひいてあったのかね。」
明智にたずねられて、小使さんは、びっくりして、小屋の中をのぞきこみました。
「おやっ、いつのまに、こんな電話が……。いいえ、いま見るのがはじめてです。こんな物置小屋に電話をひくはずがありませんよ。」
「やっぱりそうだ。これは二十面相の部下がひいたのだよ。」
明智探偵が、中村警部に説明しました。
「二十面相の部下は、ここにかくれて、美術館からの電話を、ぬすみぎきしていたんだよ。用心ぶかい二十面相は、自分に危険がせまったときには、なにか、うまい方法で、たすかるくふうをしておいたのにちがいない。」
明智はそこで、ふっとだまりこんでしまいました。なにか考えています。やがて、明智の目がキラっとひかりました。
「あっ、そうだ。あれがあやしい。中村君、いま二十面相をのせていった護送車は、ほんとうに警視庁からきたのかね。」
「なんだって? きみは、あれがにせものだったというのか。」
「うん、そうなんだ。もう一度警視庁へ電話をかけて、たしかめてくれたまえ。」
それをきくと、中村警部はあわてて、美術館のほうへかけだしていきました。
あとにのこった明智は、物置小屋の受話器を耳にあてました。警官と小使さんは、そのそばに立って、明智の顔を見つめています。
「あっ、中村君の声がきこえる。警視庁が出たよ。……やっぱりそうだ。警視庁では、護送車を送ったおぼえがないといっている。さっき中村君が警視庁へ電話をかけたとき、この電話で、ぬすみぎきしていたやつが、電話線のスイッチをきって、警視庁のかわりに、自分がこたえたんだ。ためしに、やってみようか。」
明智はそういって、電話器の横にあるスイッチをきりかえました。
「もしもし、ぼくだよ。明智だよ。」
「あっ、物置小屋からだね。すると……。」
中村警部のびっくりした声です。
「そうなんだ、ここにかくれていた二十面相の部下のやつが、警視庁だといって、きみと話をしたんだ。そして、護送車を送ることをひきうけて、電話をきったのだから、警視庁はなにもしらない。あの護送車は警視庁からきたのじゃない。」
「じゃあ、どこからきたのだ。」
「二十面相のどこかのかくれがからきたのさ。二十面相は、まんいちの場合にそなえて、にせの護送車をつくっておいたのだ。そして、それにのりこんで、にげだしたというわけだよ。」
「しかし、部下がふたり、のりこんでいる。」
「あのふたりは、ひどいめにあっているかもしれないよ。
すぐ、手配するように、もう一度警視庁へ電話したまえ。どの方角へにげたかわからないが、とくちょうのある護送車だから、うまくつかまるかもしれない。」
「よし、それじゃ、スイッチをきってくれたまえ。」
そして、警視庁に電話がかけられ、東京のぜんぶの警察に、にせ護送車のことが、つたえられたのでした。
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