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ある少年の正月の日記

时间: 2022-09-19    进入日语论坛
核心提示:一月がつ一日ついたち学校がっこうから帰かえると、お父とうさんが、「今年ことしから、おまえが、年始ねんしにおまわりなさい。
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一月がつ一日ついたち
学校がっこうから帰かえると、お父とうさんが、「今年ことしから、おまえが、年始ねんしにおまわりなさい。」といって、お父とうさんの名刺めいしを四枚まいお渡わたしなさった。そうだ、僕ぼくは、十二になったのだ。十二になると、お父とうさんのお代かわりをするのか、知しらないけれど、急きゅうに、自分じぶんでも大人おとなになったような気きがする。お母かあさんから、あいさつのしかたをならって、まずお隣となりからはじめることにして、出でかけた。
一月がつ二日ふつか
たくさんの年賀状ねんがじょうの中なかに、僕ぼくにきたのが二枚まいあった。川田かわだと西山にしやまからだ。学校がっこうで、いちばん親したしい二人ふたりなのだ。なぜ、僕ぼくも早はやく書かいて出ださなかったろう。もらってから、出だすのでは、なんだか冷淡れいたんのような気きがする。いっそ、二人ふたりのところへ訪たずねてゆこうかしらんと考かんがえたが、お正月しょうがつは、めいわくだろうと思おもってやめた。二枚まいとも、「遊あそびにきたまえ。」と、書かいて出だした。
一月がつ三日みっか
お隣となりの勇ゆうちゃんがきて、寒かんぶなを釣つりにいかないかと誘さそった。勇ゆうちゃんは、中学ちゅうがくの三年生ねんせいだ。去年きょねんの暮くれ、釣つり堀ぼりへいったときに、おじいさんが、「新年しんねんは、三が日にちの間あいだ懸賞けんしょうつきで、寒かんぶなをたくさんいれますよ。」と、いったからだろう。僕ぼく、新年しんねん早々そうそう、殺生せっしょうするのはいやだといったら、勇ゆうちゃんもゆくのをよして、二人ふたりで、ボールを投なげて遊あそんだ。
一月がつ四日よっか
昼ひるごろ、カチ、カチ、という、ひょうし木ぎの音おとがきこえる。今年ことしから学校がっこうへゆく弟おとうとが、「あいつはせっかちだから、おもしろい! やあやあ、コテツが、泣なきおるわ。いま血ちをすわせてやるぞ……。」と、紙芝居かみしばいの、チャンバラの手てまねをして駆かけだす。僕ぼくは、悲観ひかんしてしまった。
一月がつ五日いつか
姉ねえさんが、カルメ焼やきを造つくるといって、火ひを落おとして、新あたらしい畳たたみの上うえに、大おおきな焼やけ穴あなをあけた。そして、お母かあさんにしかられた。いつも、僕ぼくたちが、畳たたみをよごすといって、しかられるので、ちょっと痛快つうかいに感かんじた。
一月がつ六日むいか
外そとで、たこのうなり声ごえがする。窓まどを開あけると、あかるく日ひが射さし込こむ。絹糸きぬいとよりも細ほそいくもの糸いとが、へやの中なかにかかって光ひかっている。へやがあたたかなので、目めにはいらないが、冬ふゆもこうしてごく小ちいさなくもが、活動かつどうしているのを知しった。
一月がつ七日なのか
明日あすから、学校がっこうだ。また、予習よしゅうもはじまる。大おおいにしっかりやろう。橋本先生はしもとせんせいは、僕ぼくたちのために、いつもおそくまで残のこっていてくださる。あ、先生せんせいに、年賀状ねんがじょうをあげるのを忘わすれた。しかし僕ぼくは、ありがたく思おもっている。あした、お目めにかかって、おめでとうをいおう。今夜こんや、これから、なにをして遊あそぼうかな。
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