蝋人形
私は一人の
「お前が何か悪いことをしたのでないか、せないのなら後でしらべてやる。」といい残してさっさと出て行ってしまう。その後を慕うて清吉はとぼとぼとついて行くと、教師は便所へ入ってしまう。清吉は
清吉は、ただ
「先生――。」といって、後はしゃくり
「誰がお前を
清吉は
「よし、よし、後から調べるから、小山、清水、林に残れといいなさい。で、お前も一しょに残るんだ。」といって、もう二度と振向かずに廊下を
其様風に、教師はやはり、清吉の味方ではなかった。後で他の生徒を残して取調る時にも、一々彼等の言うことを取上げないまでにも、それに重きを置いて清吉のいうことを全く取上げなかった。
「お前がやはり、
「いいえそうでありません、私は何にもせなかったのに、私を小山さんが、
小山という、意地悪るそうな生徒は、
「いいえ
「林さん、そうですか。」
と教師は、林と呼れた生徒の方に顔を向ける。林と呼れた生徒は黙って下を向いたままで
「いいえうそです。」と清吉が
「皆なそういうじゃないか、やはりお前が悪いのだ。」
と叱り付けて、全く清吉を悪いものと決めて、一同を帰した後で、
「今日のことも聞いて見れやお前が悪いのだ。お前が悪いために皆なを
その上清吉は、余り学校の成績がよくなかった。いつも席順は
「他の子供衆は皆んな学校へ行きなさるのに、