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日がさとちょう(1)

时间: 2022-12-08    进入日语论坛
核心提示:日がさとちょう小川未明ある山やまの中なかの村むらに、不ふしあわせな二人ふたりの娘むすめがありました。一人ひとりの娘むすめ
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日がさとちょう

小川未明


あるやまなかむらに、しあわせな二人ふたりむすめがありました。
一人ひとりむすめは、まれつきみみとおうございました。もう一人ひとりむすめは、ちいさな時分じぶんにけがをして、びっこであったのであります。
この二人ふたりむすめは、まことになかのいいおともだちでありました。そして二人ふたりとも性質せいしつのいいむすめでありました。
二人ふたりおんなは、どちらも十四、五さいになったのであります。そして、それぞれなにかふさわしい仕事しごとにつかなければなりませんでした。
あるのこと、みみとおむすめは、びっこのむすめのところへやってまいりました。びっこのむすめは、いつにないおともだちのしずんでるかおつきをて、
「なにか心配しんぱいなことでもあるのですか?」と、やさしくたずねました。
わたしは、とおいところへゆかなくてはならないかもしれません……。」と、みみとおむすめこたえました。
びっこのむすめはそれをいて、びっくりいたしました。二人ふたりが、わかれるということは、どんなに、かなしいことであるかしれなかったからであります。
とおいところというのは、どこですか。」といました。
東京とうきょう奉公ほうこうにゆくようになったのです。わたしは、うれしいやら、かなしいやら、わからないような気持きもちでいます。」と、みみとおむすめこたえました。
「まあ、東京とうきょうへ? それは、どんなにしあわせだかわからない。わたしも、一東京とうきょうへいってみたいとおもっていますが、こんなからだでは、とてものぞみのないことであります。あなたは、東京とうきょうへいって、にぎやかなところをごらんなさい。しかし、あとのこされたわたしは、さびしいことでしょう。」と、びっこのむすめは、なみだをのんでいいました。
二人ふたりわかれをしみました。むらわかむすめたちのなかでは、こんど東京とうきょうへゆくようになったみみとおむすめをうらやましくおもったものもありました。
あるのこと、みみとおむすめは、みんなにむらのはずれまで見送みおくられて、いよいよみやこかって出発しゅっぱつしたのであります。
彼女かのじょは、みちすがらも、汽車きしゃなかも、だんだんとおへだたってゆく故郷こきょうのことをおもいました。また、なかのよかったびっこのむすめのことなどをもおもして、いつまた二人ふたりはあわれるだろうかと、かなしくおもわずにはいられませんでした。
彼女かのじょは、東京とうきょうにきて、一ねんはたらき、二ねんはたらき、三ねんはたらきました。そして、すっかり都会とかい生活せいかつになれてしまったのです。そのあいだに、びっこのむすめからは、たよりがおりおりありましたが、それもいつしかえてしまいました。
しかし、彼女かのじょは、なにかにつけて、故郷こきょうのことをおもさずにはいられなかったのです。あのころのおともだちは、どうしたろう? とおもいますと、どうか、一、ふるさとへかえってきたいものだとおもいました。
彼女かのじょは、みみとおいものですから、おな奉公ほうこうをしましても、ほかのおんなたちのように、どんな仕事しごとにでも、やくにたつというわけにはゆきませんでした。それですから、したがって、もらうおかねすくなかったのです。
しかし彼女かのじょは、それをべつに不平ふへいにもおもいませんでした。そしてこんど、ふるさとへかえ時分じぶんに、てゆく着物きものやおみやげにつかおうと、すこしずつなりとためておきました。
ねんめのはるわりのころ、彼女かのじょは、ふるさとへ、幾日いくにちかのひまをもらって、かえってくることにいたしました。
彼女かのじょは、あたらしい着物きものつくりました。あたらしいげたもいました。そしてもっとそのうえ、東京とうきょうからかえったということを、田舎いなかひとたちにせたいために、どんなものをっていったらいいだろうかとかんがえました。
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