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政ちゃんと赤いりんご(2)

时间: 2022-12-24    进入日语论坛
核心提示:図画ずがの時間じかんに、小野おのがふり向むいて、いいました。「こんなりんごは、めったに見みないね。どこで買かってきたんだ
(单词翻译:双击或拖选)
 
図画ずが時間じかんに、小野おのがふりいて、いいました。
「こんなりんごは、めったにないね。どこでってきたんだい。」と、となり山田やまだが、ききました。
田舎いなかのおばあさんから、おくってきたんだ。」と、まさちゃんが、こたえました。
「たくさんおくってきたんかい。」
「ああ、たくさんおくってきたんだ。」
「いいなあ。」
「だけど、みんなべてしまって、もうこれきりないんだ。」
「なあんだ、それじゃつまんないな。」
このときです、先生せんせいが、おおきなこえで、
よこたり、はなしをしたりせんで、上手じょうずにおかきなさい。」と、おっしゃいました。
まさちゃんは、うまくけて、いいおてんをもらったら、おばあさんのところへおくってあげて、せようとおもったので、一所懸命しょけんめいきはじめました。
つぎは、算術さんじゅつ時間じかんでした。ベルがって、みんな教室きょうしつにはいったときです。
ぼくに、りんごをおくれよ。」と、山田やまだがいいました。
ぼくが、もらう約束やくそくをしたんだい。」と、小野おのがいいました。
まさちゃんは、二人ふたりが、ほしいというのでこまってしまいました。
「ジャンケンおやりよ。」
まさちゃんのつくえうえにのっていたりんごを、ふいに小野おのってしまいました。
「ずるいやい。」と、さけんで、山田やまだが、それをうばかえそうとしました。ちょうど、昨日きのうまさちゃんが、あにいさむちゃんにかってやったとおなじことです。
そのとき、もう先生せんせいは、教室きょうしつにおいでになって、じっと二人ふたりが、りんごをうばっているのをていられました。二人ふたりは、大騒おおさわぎをしていました。らなかったまさちゃんが、がつくと、
先生せんせいが。」と、注意ちゅういしました。
二人ふたりは、びっくりして、あらそうのをやめたけれど、おそかったのです。
小野おのも、山田やまだも、こっちへくるんだ。」と、先生せんせいは、おそろしいかおつきをなさいました。
「さあ、おんなくみへいって勉強べんきょうせい。」
みんなは、おんなくみへやられるのが、ばつなかでもいちばんくるしかったのです。山田やまだかおをして、先生せんせいきずられるようにして、れてゆかれたけれど、小野おのはしらにつかまって、うごきませんでした。先生せんせいは、小野おののわきのしたをこそぐりました。
それでも、我慢がまんをして、はなれまいとはしらにしがみついたのです。おせきから、くすくすわらこえこりました。
「よし、そこに、いつまでもそうやっておれ。」と、山田やまだ一人ひとりをつれてゆかれました。
小野おの、このあいだに、げっちまえよ。」
げたら、あとで、よけいにしかられるぞ。」
まさちゃんは、このあかいりんごから、たいへんなことがこったものだと、りんごをひろって、かばんのなかれてしまいました。
小野おのが、教壇きょうだんうえたされて、あたまをかいていると、おんな尾沢先生おざわせんせいが、山田やまだをつれて教室きょうしつにはいってこられました。
「これからをつけて、さわがないといいますから、どうぞ、こんどだけは、ゆるしてあげてくださいまし。」と、あやまってくださいました。
「もう、きっとをつけるね。じや、尾沢先生おざわせんせいに、おれいもうしなさい。」と、先生せんせいは、山田やまだにいわれました。
山田やまだは、かおあかくして、あたまげました。そして、山田やまだだけは、おせきにはいって、みんなといっしょに勉強べんきょうすることをゆるされたけれど、小野おのは、先生せんせいのいうことをきかなかったばかりで、時間じかんわるまで、そこにたされていました。
いさむちゃん、りんごをあげようか。」
学校がっこうからかえると、まさちゃんはいいました。
「りんご?」といって、いさむちゃんは、かけてきました。
「きのうのりんごじゃないか。まさちゃんは、どうしてべないのだい。」
「どうしても、ぼくたべたくないのだ。」
「おかしいな。」
かあさんも、あかいりんごをごらんになって、
「ほんとうに、くいしんぼうのまさちゃんが、どうしてたべなかったの。」と、おっしゃいました。
まさちゃんは、このりんごを学校がっこう小野おの山田やまだうばって、先生せんせいたされたことをおもしました。それをかんがえると、うちかえって、かばんからとりしたけれど、どうしてもべるこらなかったのです。田舎いなかのおばあさんからおくっていただいただけに、てることもできなかったのでした。
そのおはなしをすると、いさむちゃんは、
ぼく、そんなりんごをたべるのはいやだ。」といって、あちらへいってしまいました。
「まあ、よくけんかのこるりんごですね。このことを田舎いなかのおばあさんにいってあげようかしらん。おばあさんは、きっと兄弟きょうだいげんかをするようなら、もうこれからおくらないとおっしゃるでしょう。」
「もう、けんかをしないから、そんなことをいってやっちゃ、いやだよ。」
かあさんは、わらって、おうなずきになりました。
このとき、ドン、ドン、と、そとほう太鼓たいこおとがしました。
まさちゃん、りんごをさるにおやりよ。」と、いさむちゃんが、ぐちから、のぞいて、いいました。まさちゃんは、あかいりんごをって、かけしてゆきました。まさちゃんは、あかいりんごをさるにやりました。
さるは、りんごをもらって、よろこんで、さるまわしの背中せなかにおぶさりながら、コスモスのく、垣根かきねって、あちらのほうへとえなくなったのであります。
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