初级阅读（401）

　価格競争、規模拡大競争、品ぞろえ競争。この三つは、中小企業が絶対にしてはならない競争だ。

　価格競争は一見すると勇ましい。だが、買っても負けても、わが身を削る単純な消耗戦だ。規模拡大競争も勇ましいが、ともすると自分の体力を無視した背伸び経営となり、不況に弱い体質をつくってしまう。豊富な品ぞろえは恰好はいいが、無駄な在庫を抱え、黒字なのに資金繰りが苦しくなって経営破綻を招きかねない。

　不毛な競争を避け、健全な企業体質にするには、まず新技術を開発し、独自の市場で勝負することだ。新製品でなくても、他の追随を許さない技能を身につける。または、他社に先駆けて最先端の設備を活用する。

　規模を拡大するときは、常に自己資本と相談することが大事。絶対に財務バランスを崩してはいけない。固定資産は、原則として自己資本の範囲内で調達することを心がける。

　商品は厳密に選び、無駄な在庫を持たないことが肝心だ。なるべく在庫を持たずに生産販売するには、品質管理を中心とした生産管理技術の定着が欠かせない。

　新技術の開発、正しい財務戦略、生産管理技術の定着。この三つの戦略が、無用な競争を避けるカギとなる。やってはいけない三つの競争を知り、やらなくてはいけない三つの戦略を実行する。これこそが、中小企業が勝ち残るための奥義。大企業といえども、この原則を踏み外した企業は、破綻への階段を上るだろう。

　不況は企業破綻のきっかけにはなるが、原因ではない。真の原因は、経営の仕方そのものにある。そのことを肝に銘じ、しっかり永続できる企業づくりを目指したい。

（「やってはいけない競争」２００９年１０月３１日付け朝日新聞「経済気象台」による）

 

1、「中小企業が勝ち残るための奥義」とあるが、どういうことか。

①中小企業を無視した大企業は破綻するだろうということ。

②価格競争、規模拡大競争、品ぞろえ競争をやめて、新技術の開発、正しい財務戦略、生産管理技術の定着に力を入れること。

③新技術の開発、正しい財務戦略、生産管理技術は後回しにして、価格競争、規模拡大競争、品ぞろえ競争に重点を置くこと。

④大企業も中小企業が持っているコツを身につけること。

 

2、「そのこと」は何を指しているか。

①企業破綻の原因は、経営方式にあるということ。

②不況の原因は、企業破綻にあるということ。

③企業破綻の原因は、不況にあるということ。

④不況は企業破綻の原因になって、経営の仕方に影響を及ぼすということ。

 

3、筆者は企業規模の拡大の際、どんなことが重要だと言っているか。

①画期的な技能を身につけること。

②自己資本の規模を念頭に置くこと。

③新しい技術を開発すること。

④無駄な在庫が残らないように心がけること。