ワクチン接種の順番などについて問い合わせが殺到し、医療機関の大きな負担になっている例も少なくない。副反応の心配する人もいる。厚労省や自治体は、ワクチンの有効性と限界なども含めて、できるだけ丁寧に接種にかかわる情報を提供すべきだ。厚労省は、専門化会議の合意に基づき、接種回数を一回とすることを検討中だ。一回ですめば大勢が受けられる。有効性を確かめて決めてほしい。
もっとも、ワクチンで感染が完全に防げるわけではないし、免疫ができるには時間がかかる。さまざまな対策を総合的に進めることが欠かせない。
(朝日新聞2009年10月20日)
B:
自分や子どもは、いつ、どこで接種できるのか。そんな不安や戸惑いを感じている人が多いのではないか。新型インフルエンザのワクチン接種が19日から始まった。しかし、誰もがすぐに接種を受けられるわけではない。まず、医療関係者から始まり、妊婦やぜんそく患者などの接種は来月からだ。一歳から小学三年生の子供や、一歳未満の乳児の保護者への接種は、さらに後になる。多くの人が軽症で治るとはいえ、重症化のリスクが高い人たちは不安を抱えているはずだ。なるべく早く受けたいと願う人がいるのは当然だ。にもかかわらず、市民への情報提供は十分とは言えない。
(毎日新聞2009年10月20日)に加筆
1、AとBのどちらの記事にも触れられていない内容はどれか。
①ワクチン接種の副反応について、心配している人がいるということ。
②ワクチン接種回数は一回限りであるということ。
③ワクチン接種について市民への情報提供が十分ではないということ。
④誰もがすぐにワクチン接種を受けられるのではないということ。
2、「ワクチン接種の順番」としてBの内容と合っているものはどれか。
①入院中のぜんそく患者――妊娠①か月の妊婦――総合病院に勤めている看護士。
②入院中のぜんそく患者――幼児の看護者――妊娠1か月の妊婦
③総合病院に勤めている看護士――幼児の保護者――入院中のぜんそく患者
④総合病院に勤めている看護士――妊娠①か月の妊婦――5歳の子供
3、AとBの筆者の主張として共通しているものは何か。
①専門家の合意に基づいて新型インフルエンザのワクチン接種回数を一回とすること。
②新型インフルエンザのワクチン接種について丁寧に情報を提供してほしい。
③一歳未満の乳児の保護者への新型インフルエンザのワクチン接種はもっと早くなるべきだ。
④副反応が心配なので新型インフルエンザのワクチン接種はまだ受けてはいけない。