やはりアメリカにおいて、患者の精神状態をよくすると、治療効果が上がるという東洋的な考え方が、近年認められつつあるのも注目される。( ウ )。同じエイズであっても、絶望的な患者とせっきょ的な考え方を捨てない患者とでは、後者の方が病気の進行がずっと遅いという研究がある。また落ち込むと免疫の機能が低下し、病気にかかりやすく、しかもかかった病気を悪くすることも承認されている。( エ )。「笑いは健康のもと」という言葉もあるが、楽天的な生き方は健康的である。心を躍らせる喜びはすばらしい妙薬で、誕生日の前に死ぬ人が少ないのも不思議ではない。
(外山滋比古の文章より)
1、「それがわかっていて、なぜアメリカではがんの告知が当然のようになっているのだろうか」という文は、(ア)~(エ)のどこに入るか。
①ア
②イ
③ウ
④エ
2、この文章の内容と合っていないものはどれか。
①東洋では、アメリカで取り上げられる以前から、患者の精神状態をよくすると治療効果が上がることが知られていた。
②アメリカにおいて、近年、精神と健康に密接な関係があることが認められ、治療にも取り入れられ始めた。
③癌のような重い病気の場合、強い意志の人でなければ、病名を告げられた多くの人は病状を悪化させる。
④「病は気から」ともいうが、小さなことんくよくよしないで、楽天的な生き方をすれば、病気にはならないですむ。