「そんなに悲しい顔をしないでもよろしい。もうみんなは帰ってしまいましたから、あなたはお帰りなさい。そして明日はどんなことがあっても学校に来なければいけませんよ。あなたの顔を見ないとわたくしは悲しく思いますよ。きっとですよ。」そういって先生は僕のカバンの中にそっと葡萄の房を入れてくださいました。 僕はいつものように海岸通りを、海を眺めたり船を眺めたりしながらつまらなく家に帰りました。 そして葡萄をおいしく食べてしまいました。 けれども次の日が来ると僕はなかなか学校に行く気にはなれませんでした。 お腹が痛くなればいいと思ったり、頭痛がすればいいと思ったりしたけれども、その日に限って虫歯一本痛みもしないのです。 仕方なしにいやいやながら家は出ましたが、ぶらぶらと考えながら歩きました。 どうしても学校の門を入ることは出来ないように思われたのです。 けれども先生の別れの時の言葉を思い出すと、僕は先生の顔だけはなんといっても見たくてしかたがありませんでした。 僕が行かなかったら先生はきっと悲しく思われるに違いない。 もう一度先生のやさしい目で見られたい。 ただその一事があるばかりで僕は学校の門をくぐりました。
“不要那么难过。大家都回去了,你也请回吧。明天不管遇到什么一定要来学校啊。不见你的话,会难过的。一定来啊。”说着老师把一串葡萄放到了我的书包里。 我像往常一样沿着海岸大道,看着海和船,无聊的回家了。 放下葡萄,吃掉了。 但是第二天来了,我怎么也不想去学校了。 想着肚子痛,头痛就好了,但是那天一点也不痛。 没办法不情愿地出门了,恍恍惚惚的边想边走。 觉得怎么也没法进校门。 但是想到老师临别的话,我只想看到老师的脸。 我不去的话,老师一定会难过的。 想再亲眼看温柔的老师。 只为了这件事,我进了校门。