僕はもうなんといってこの嬉しさを表せばいいのか分らないで、ただ恥しく笑うほかありませんでした。 ジムも気持よさそうに、笑顔をしていました。 先生はにこにこしながら僕に、「昨日の葡萄はおいしかったの。」と問われました。 僕は顔を真赤にして「ええ」と白状するより仕方がありませんでした。 「そんなら又あげましょうね。」そういって、先生は真白なリンネルの着物につつまれた体を窓からのび出させて、葡萄の一房をもぎ取って、真白い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の鋏で真中からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに下さいました。 真白い手のひらに紫色の葡萄の粒が重って乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことが出来ます。 僕はその時から前より少しいい子になり、少しはにかみ屋でなくなったようです。 それにしても僕の大好きなあのいい先生はどこに行かれたでしょう。 もう二度とは会ええないと知りながら、僕は今でもあの先生がいたらなあと思います。 秋になるといつでも葡萄の房は紫色に色づいて美しく粉をふきますけれども、それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。
我不知道该不该表现出高兴,只是害羞的笑着。 吉姆也像心情很好似的,笑着。 老师笑着对我说:“昨天的葡萄好吃么?” 我脸红红的说:“嗯。”与其说是坦白,更像是没有办法。 “那样的话还给你啊。”老师穿着白色亚麻的衣服,身子从窗户探出去,摘下一串葡萄,白白的左手上托着一串挂着白霜的葡萄,用细长的银色剪刀从正中间噗一下简称两半,给吉姆和我。