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「みにくいあひるの子」だった私57

时间: 2019-09-23    进入日语论坛
核心提示:皮肉な朗報「すぐ戻(もど)ってきてくれないかな」そのときには、すでにテレビ局の仕事は終わっていたけど、そのあと家族で二、
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 皮肉な朗報

「すぐ戻(もど)ってきてくれないかな」
そのときには、すでにテレビ局の仕事は終わっていたけど、そのあと家族で二、三日、のんびりしていく予定になっていた。
「どうして戻らなければいけないんですか」
「受かりそうなのがあるんだよ、わりと大きな仕事でね」
事務所は、下手(へ た)な鉄砲(てつぽう)じゃないけど、いろいろなオーディションにかたっぱしから私の写真を送りつけていた。
私は知らなかったけれど、その中に「いちこし」という有名な着物メーカーのモデル募集があった。その写真選考(せんこう)で、私が最終審査までいっているから、すぐに戻ってきてほしいというわけ。
でも、それはあくまでも写真でのこと。実物の顔を見たら、相手も……。
「帰ったって、どうせ受かりっこないから、すみませんけど、かんべんしてください。今度の家族旅行は前からの予定ですから」
帰国したら受かるという保証があるならべつだけど、すでにオーディションというオーディションに落ちまくっているから、完全なる自信喪失(そうしつ)、すっかり嫌気(いやけ)がさしていた。
事務所との契約(けいやく)も完全歩合制(ぶあいせい)、いくらオーディションを受けたって、落ちればまったくお金にならない。これでは、そのへんでアルバイトでもしていたほうがよっぽどまし。アイスクリーム屋さんのほうが、ずっといいお金になっていた。これじゃあ、事務所に所属していたって、なんの意味もない。今度落ちたら、事務所をやめようと思っていた。
私は会社の意向を無視して、家族とのスケジュールを優先させてしまった。
両親にはもちろんないしょ。父が聞いたら、「ばかやろう」と一喝(いつかつ)、そのまま首根っこをひっつかまれて、空港に連れていかれ、無理やり成田(なりた)行きの飛行機に押し込まれていたはず。
どうせ着物のモデルなんて、受かるはずがない……。
それが、さんざんバタくさい顔と言われつづけた私が、純日本的な着物のモデルに採用されることになったのだから、皮肉(ひにく)といえば皮肉。やめるつもりのところを、着物にひきとめてもらったようなもの。
もっとも、このときは、伝統的な形そのままではなく、若い子向けに少しアレンジしたもので、発表会のときには純粋(じゆんすい)な外国人モデルもいたくらいだった。
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