「結婚したくない」
と考えている若い女性たちの多くは、いわゆる親がかりである。たとえ勤めているにしても、親もとから会社に通っている人たちが多い。その月給のほとんどは、お洒落とか、レジャーとか、みんな自分の小遣いに化けてしまう。家に食費を入れるにしても、ほんのちょっぴりだ。
親たちが「それでいい」と言うから、いつまでも甘えている。日常生活はOLでも、気分は学生だ。上げ膳・据え膳どころか、風呂だって沸かしてもらっている。
父親がまた、だらしがない。娘を猫っ可愛がりに可愛がって、なかなか手放そうとしない。娘たちにしてみれば、かりに結婚したところで、いまよりラクな生活は望めない。娘たちが「それなら、いっそこのままで……」と、独身をキメこむのも無理はない。
こういう娘が、まちがって「あたし、結婚したい」と言おうものなら、大変だ。両親ともども涙して「イヤなことや辛いことがあったら、いつでも帰っておいで」ナンテ馬鹿なことを言う。
「お前の部屋は、いつ帰ってきてもいいように、このままにしておくからね」
これじゃ、いくつになっても娘が結婚できるわけがない。親が馬鹿だから、子も馬鹿なのか。子が馬鹿だから、親も馬鹿なのか。両方馬鹿で「親馬鹿子馬鹿」だ。