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まじめ半分36

时间: 2018-03-31    进入日语论坛
核心提示:ゲームの王様 室内ゲームは一通りなんでもたしなむ。その中でなにがゲームの王様かと問われたならば、私は囲碁、麻雀、そして丁
(单词翻译:双击或拖选)
 ゲームの王様
 
 
 室内ゲームは一通りなんでもたしなむ。その中でなにがゲームの王様かと問われたならば、私は囲碁、麻雀、そして丁半|賭博《とばく》の三つを挙げたい。
 その選考事情を私なりに説明してみると、まず囲碁——。
 思考性の強いゲームの代表格。強い者が絶対に勝つゲームである。
 当然、なぜ将棋ではなく囲碁なのか、という反論が予測されるのだが、これに対する釈明はわれながら心もとない。強いて言えば、私が囲碁のほうが好きだ、ということに尽きるのかもしれない。囲碁は初段、将棋はせいぜい三、四級の腕前である。
 独断と偏見に満ちた解釈を言わせてもらうならば——私の見たところ、将棋というものは、男性の性的オルガスムスによく似ている。勝負の決着が直線的である。いきなりクライマックスに達して「あっ」と叫んだときには、もう終盤に近づいている。
 その点、囲碁は女性的なオルガスムスだ。楽しみの場所があちこちに散らばっている。初めは部分、部分の勝負だったものが、次第次第に総合される。ジワリ、ジワリと押し寄せて来て、何度かクライマックスを繰り返したすえ、ゆるやかに終焉《しゆうえん》を迎える。
 ヴァン・デ・ベルデ以来の性科学書を紐解《ひもと》くまでもなく、両性のオルガスムスはその深さにおいて明らかに女性のほうが勝っている。囲碁と将棋を比べて、私が囲碁の楽しさに軍配を挙げる理由も、これに近い。楽しみの鋭さにおいては将棋に劣るが、その深さ、広さにおいては僅少差ながら囲碁が勝る、と私は考えている。
 それに、もう一つ、ゲームの抽象性においても囲碁は特筆すべき遊びではなかろうか。
 将棋のように両陣営に分かれて、それぞれに特技を持った駒がいて、たがいに攻め、そして守る、といった発想は、それ自体さほどに特異なものではない。ヨーロッパでは同じ発想からチェスが生まれている。もしかしたらUFOの中でも同じようなゲームがおこなわれているのかもしれない。
 だが、囲碁は月並みな発想から生まれたものではない。極度に抽象化された思考の産物である。幾何学的な美しささえある。宇宙的な神秘をも内包している、とまで言ったら少し大袈裟《おおげさ》過ぎるかもしれないが……。囲碁も将棋も、ともに思考性の強いゲームの代表格だが、あえてどちらか一つということなら、私は総合点として囲碁のほうを選びたい。
 
 次に麻雀。これもやはりゲームの王様候補からはずすわけにはいかない。
 まずおもしろさが抜群である。しかも悠揚せまらざる中国文化の香りが漂っている。スケールの大きさが感じられる。視覚的に美しいばかりではなく、聴覚的にも美しい。
 狭いアパートの隣室でポン、チー、ジャラジャラと日がな一日音を立てられたのでは、聴覚的な美しさもヘチマもあったものではないけれど、竹と象牙《ぞうげ》とが触れあう響きは、本来は典雅な音色を持っている。そこまで計算して牌《パイ》を作ったところに、いかにも中国人らしい芸の深さがある。
 視覚的な美しさと言えば、役満貫のなんと美しいことか。ちなみに国士無双を目の前に並べてみよう。てんでんバラバラの牌が集まっているはずなのに、全体として一種独特の調和があって、えも言われず優美である。これもまた四千年の文化の伝統を持つ民族の、すぐれた美意識に由来するものだろう。
 麻雀の楽しさには、どこか麻薬の匂《にお》いをかぐような放逸な、不健康な印象がつきまとうものだが、これも遊びが遊びである以上かならずしもマイナスとは言えない——むしろプラスと評価されるべき特質ではなかろうか。
 
 そして最後は丁半賭博。これを選んだ理由は、なにはともあれ、その単純さにある。勝負ごとには運不運はつきものだが、丁半賭博ほど完全に運だけに支配されるゲームもめずらしい。
 私はほとんどこの遊びをやった経験がないけれど、ギャンブルの典型ということならば、おそらくこれに勝るものはあるまい。ゲーム時間の短いことでも、丁半賭博ほど簡素化されているものはめずらしい。
 以上を取りまとめて——室内ゲームというものは、思考に基づく技術と、確率的な運不運とが微妙に混じりあった領域に、その楽しさの根拠を持つものと考えてよかろう。つまり思考性の強いものから運の支配の強いものまで、さまざまなゲームが段階的に考案されている。
 そこで私は、思考性に重点を置くとしたら囲碁を挙げ、運不運の典型ということなら丁半賭博を挙げ、両者をほどよく混合させ極度に発達させたものとして麻雀を選んでみた次第である。
 もとよりこの選考には、多くの異論があるにちがいない。それぞれがそれぞれの楽しみを最上のものと考えればよろしいのであって、私も深くこの選考にこだわる理由を持たない。
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