日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

黒田如水08

时间: 2018-11-15    进入日语论坛
核心提示:沐浴三「お坐りなさい」 そういったのみで、官兵衛は座もうごかなかった。重厚な眉毛にやや怒ったらしい色をたたえて、自分へ跳
(单词翻译:双击或拖选)
 沐浴
 
「お坐りなさい」
 そういったのみで、官兵衛は座もうごかなかった。重厚な眉毛にやや怒ったらしい色をたたえて、自分へ跳びかかって来ようとする人々を窘《たしな》めたに過ぎなかった。
「ひかえろ、坐らぬか」
 小寺政職《おでらまさもと》もつよく叱った。で、憤然《ふんぜん》たるまま、末席の五、六名が唇をかんで、座に直ったのを見とどけると、官兵衛は初めて胸を正した。語気声色、常と変らない彼に回《かえ》っていった。
「——実は、それがしの信念は、かくならぬ日頃のうちに、ご主君のお胸へ、篤《とく》と、おつたえいたしてある。故に、ご評議となっても、事改めて、ご主君へは申し上げることもない。ただ家中一統の者どもが、毛利に味方せん、いや織田と結ばんなど、二派に別れては、由々《ゆゆ》しい破滅と、各の一致を求めらるる旨において、昨夜からのご評議はひらかれておるものとそれがしは信じる。さるを各には」
「だまれっ。それがおぬしの陰謀だ。わしらお家を憂《うれ》うる者どもは、その陰謀に毒されまじと、おぬしの織田説には敢て、雷同いたさんのじゃ」
「しばらく、私にいわせてください」と、こんどは慇懃《いんぎん》に、老臣の言をなだめて——「すでに殿には、神明にお誓いあって、小寺家の向背《こうはい》は、汝の信念にまかせんとそれがしに対しても、ご誓約《せいやく》を下しおかれてあるのですぞ」
「……?」
 意外な、といわぬばかりな愕《おどろ》きを人々は眼にこめて、主人政職《まさもと》の方を見た。嘘かほんとか、政職は否定しなかった。官兵衛もまた政職の面にちらと眼を向けた。その眼はまるで彼を睨まえているようだった。
「時の危局を未然に察し、事にあたってうろたえなきよう、日ごろにおいて、主君に忠言を呈し、誤りあれば、面を冒しても諫言《かんげん》をすすめ参らすは、臣の勤めであり、わけて家老の職分と存ずる。何らやましき心はない。また陰謀をたくらむならば、かかる席で公言はいたさん。小川殿、蔵光殿、ほかの方々も、その辺はご安心あってお聞きねがわしい」
「聞けとは何をか」
「それがしの信条《しんじよう》を」
「おぬしの説は、織田一点張りと知れきっておるではないか。ゆうべも聞いた、今朝がたも聞いた。あまりくどく仰せあると、織田のまわし者のように思われますぞ」
「一身の誹謗《ひぼう》のごときは官兵衛すこしも意にかけません。また、たとえこの場で殺されようとも、日ごろの信念は決して変えもしませぬ。いかにも昨夜また今朝、一度ならず抱懐《ほうかい》の一端は申しのべたが、それがしの申すたびに、あなた方が反対召さる。座中ごうごう、紛論《ふんろん》をかもすのみで、何らの効もない。——そこで中座して息抜きをしたわけでござった。またこれへ臨むのに沐浴をいたして来たのは、みだりに口にすべきでない儀を、改めて、これを最後のそれがしの言として、申しあげようと存じたからである。就いては、聴かれる側の貴所方におかれても、そのように不要意なおすがたでは畏《おそ》れ多かろう。——おつかれの上でもあろうが、まず座を直し、襟を正して、しずかにお聞きとりねがいたい」
 そういう官兵衛自身はもちろん非難される点もないように正座していた。主人の小寺政職には、何かすぐ胸にひびいたものがあるらしく、そう聞くとすぐ褥《しとね》をわきへ退けてこれも坐り改めた。
 主君たる人のその体《てい》を見ては、たとえ一族老臣であろうと、我意を張っていられなかった。各急いで膝を正し、また襟元をあらためた。播州の一隅から出ない地方城主の家中でも、久しいあいだの室町幕府の礼儀式典にやかましい風習だけはよく身に沁《し》みている。こうすがたを揃えて厳粛《げんしゆく》に回《かえ》れば、さすがにみな頼みがいある侍に見えた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%