日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

黒田如水50

时间: 2018-11-16    进入日语论坛
核心提示:友の情け一 三木城の嶮とその抵抗力は、歯肉に頑強な根を持っている齲歯《むしば》にも似ている。 しかもその一本の悩みを抜き
(单词翻译:双击或拖选)
 友の情け
 
 三木城の嶮とその抵抗力は、歯肉に頑強な根を持っている齲歯《むしば》にも似ている。
 しかもその一本の悩みを抜き去るためには、それに連なる志方、神吉《かんき》、高砂、野口、淡河《おうご》、端谷《はたや》などの衛星的な小城をまず一塁一塁陥し入れてからでなければ、敵の本拠たる歯根《しこん》を揺がすことは出来ないからである。
 書写山《しよしやざん》を本営とする秀吉の戦法は、いわゆる定石どおりにその外郭《がいかく》の敵を一城ずつ攻めて行った。野口城を陥し、端谷城を奪《と》り、順次、神吉の神吉長則《かんきながのり》や、志方の櫛橋治家などの塁も衝き、別所一族の領土とする広汎《こうはん》な地域にわたって、放火、掃蕩《そうとう》、迫撃の手を強めていた。
 が、いかに秀吉の左右に、軍師竹中半兵衛と智嚢黒田官兵衛がともに扶《たす》けていても、一万に足らない小勢では、彼の地の利に対して、短兵急に効を挙げることは覚《おぼ》つかない。
(事態は重大、急遽、ご援軍の西下を仰ぐ)
 秀吉は疾《と》く、安土の信長へ向って、こう早飛脚を立てていた。そして一面には、士気を疲らせないために、時折、軍馬を休め、浩然《こうぜん》の気を養わせて、長期戦を期していた。
 そうした休戦日のある折だった。黒田官兵衛の陣所へ、半兵衛が遊びに来た。陣羽織に竹の杖を持ち、瀟洒《しようしや》たる姿で、
「お在《い》でか」
 と、陣屋の内を覗いた。
 書写山の上には僧房が多い。官兵衛の陣所もその一院にあった。折ふし彼は武装のまま論語を読んでいたが、思わぬ友の訪れに、歓んで迎え上げ、まず挨拶を終るとすぐ、
「お体はいかがです。陣中生活では敢《あえ》て無理もしますし、食物もままならないので、ご病気がすすみはせぬかと、筑前様にも常にお案じなされておるが」
 と、友の健康をたずねた。
 竹中半兵衛に会うと、まず何より先にそれを問うのが、官兵衛始め幕僚《ばくりよう》たちの通例になっていた。事実、半兵衛の容体は、戦場へ来てから決して快《よ》くない容子なのである。鋼鉄《こうてつ》の如く日に焦《や》けた皮膚と髯武者の揃っている中にあって、彼の顔だけが際立《きわだ》って白かった。軍議の時など、藪の中に一輪の白椿が咲いているように、いつも口少なく秀吉の側にいた。
 けれど彼のことばを聞けば、聞く者の方が爽《さわ》やかになるのが常であった。彼自身はまぎれもない病体だが、彼は決してその苦痛や憂鬱《ゆううつ》を人には頒《わ》けない。きょうも変らない微笑を静かに見せていた。
「いや、ありがとう。持病というものは、ご推察をいただくほど、当人はさして苦痛でもありません。それが常態《じようたい》になっておりますから」
「時に、安土のご援軍は、急速に参るでしょうか」
「いま殿のお手許へ御状が着きました。それに依れば、滝川、明智、丹羽の諸将に、荒木村重の一軍をも加え、すでに当所へ向けて、立たれておるようです。——信長公のご嫡男信忠様をも加えられて」
「それで、やや安堵《あんど》です。安土の評議、いかがあろうかと案じていたが」
「いや、安堵とはまいりますまい。困難はむしろこれからのように思われる」
「……と、仰せられるは?」
「丹羽殿といい、明智、滝川、佐久間などの諸将といい、みな一方の大将として自負するところ強く、わが殿の指図をうけ、その指揮下に動くは、内心快《こころよ》しとせぬ方々ばかりではないか。そこに統率《とうそつ》のご困難が生じて来るのではないかと思われる」
 四月である。山中の春は遅く、いまが鶯《うぐいす》のさかりであった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%