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平の将門23

时间: 2018-11-24    进入日语论坛
核心提示:流人秀郷 秀郷も、小次郎の亡き父、平良持とひとしく、坂東地方の北辺に、幾代かをかさねている土豪の族長であった。 かれの居
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 流人秀郷
 
 
 秀郷も、小次郎の亡き父、平良持とひとしく、坂東地方の北辺に、幾代かをかさねている土豪の族長であった。
 かれの居館《た ち》が、下野の田沼に近い田原にあるところから田原ノ藤太ともいわれ、俵藤太とも書かれている。
 かれは生え抜きの坂東土豪だが、母系が藤原氏の縁をひいているところから、藤原姓も名乗っていた。それもあって、官職を得、早くから京都へも出て、大番も勤めたり、また近年、下野ノ掾を任ぜられ、その系図、縁故、京都との折衝などにおいて、いよいよ地方的な勢力を加えていた。
 ところが。——去る延喜十六年の事である。秀郷の腹心の配下が、国司にタテを衝いて、いたく辱められた。法規と腕力の抗争となり、果ては、血を見るような私闘となった。同族のうけた辱めには、理非を超えて結束することの強いのが、彼等の特質であり、また、族長をいただく者の自然な生態でもあった。
 秀郷は、まだ、四十前の、血気旺盛である。いかでか看過《みすご》し得んというところだ。彼は、家人郎党を糾合《きゆうごう》して、国司の庁を襲撃した。そして獄をひらいて、同族の囚《とら》われている者を奪い返し、凱歌をあげて、わが館へひきあげた。その際、幾人かの司庁の役人を殺傷し、また、火を放って、官倉を焼いたり、騎虎のいきおいとはいえ、相当な乱暴を働いたのである。
 これは、直ちに、中央に早打ちされ、朝廷、摂関《せつかん》家でも、由々《ゆゆ》しき事とし、問罪の軍を、さし向けられようとした。秀郷一族も、それにこたえて、戦備をととのえ、事重大になるかと見えたが、多少、都にいて、中央の地に呼吸し、また、藤原氏のたれかに、縁のつながりもある彼としては、無謀は愚と、すぐ覚《さと》った。かれは元来、理性にとみ、部下の意地にのって、伝来の財、田地、官職——まちがえば生命までを賭《か》けるような迂愚《うぐ》ではなかった。それまでの、処世にも抜けめなく、日ごろの行動にも、計算をもつ男で、こんどの事件をひき起した如き例は、かつてない事だし、彼としては、実に、族長のつらさといおうか、若気のいたすところといおうか、大いに悔いていたのである。
(甘んじて、罪に服し、償《つぐな》いを、後の計とすべきである)
 彼がすすんで、服罪したので、一族もみな、兇器を捨て、太政官下知《だいじようかんげじ》に依って問罪の使節として下向して来た将軍の手につながれ、同年八月十二日甲午《きのえうま》、同族の兼有《かねあり》、高郷《たかさと》、興貞《おきさだ》等——すべて十八人、重罪により配流《はいる》といい渡され、伊豆の南端へ、流されたのであった。
 そして、配所の罪人と月日をすごすこと、およそ三年。
 そのあいだには、彼の妻の縁をたよって、都の大官たちの間に、あらゆる赦免運動が行われていたことはいうまでもない。
 三年にみたず、赦《ゆる》されたのは、まさに、その効といってよい。しかも、帰国して謹慎後、一年の余で、さきの官職にも復し得たのは、なみならない蔭の声と黄金の力でもあった。
 そこで、秀郷は、将来のため、また、その折にあずかって庇護をうけた右大臣忠平へ、かさねて、莫大な音物《いんもつ》をたずさえて、はるばる上洛したわけであった。——地方土豪とはいえ、こういう訪客をよろこばぬ大臣家ではない。忠平が、彼を迎うるにも、ほとんど、都の諸卿とかわらない程だった。
 小一条のひろやかな庭園には、無数のささ流れを、自然の小川のようにひき、おちこちの泉石のほとりには、燈籠《とうろう》が置かれ、初夏の涼夜は、遠来の客のため、あらゆる風情と、美酒佳肴をつくしていた。そして、主の趣味とする管絃楽も興を添え、土豪秀郷の田舎《いなか》奢《おご》りとは、雲泥の差があるところを見せもした。
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