日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠61

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:自然城・小太郎山    一 武州《ぶしゆう》高尾《たかお》の峰《みね》から、京は鞍馬山《くらまやま》の僧正谷《そうじよう
(单词翻译:双击或拖选)
 自然城・小太郎山
 
    一
 
 武州《ぶしゆう》高尾《たかお》の峰《みね》から、京は鞍馬山《くらまやま》の僧正谷《そうじようがたに》まで、たッた半日でとんでかえったおもしろい旅の味《あじ》を、竹童《ちくどう》はとても忘れることができない。
 果心居士《かしんこじ》のまえに、首尾《しゆび》よくすましたお使いの復命《ふくめい》をしたのち、その晩、寝床《ねどこ》にはいったけれども、からだはフワフワ雲の上を飛んでいるような心地、目には、琵琶湖《びわこ》だの伊吹山《いぶきやま》だの東海道の松並木《まつなみき》などがグルグル廻って見えてきて、いくら寝《ね》ようとしても寝られればこそ。
「アアおもしろかったなア、あんな気持のいい思いをしたのは生まれてはじめてだ。お師匠《ししよう》さまは意地悪だから、なかなか飛走の術《じゆつ》なんか教えてくれないけれど、おいらにクロという飛行|自在《じざい》な友だちができたから、もう飛走の術なんかいらないや。それにしても今夜はクロはどうしているだろう……天狗《てんぐ》の腰掛松《こしかけまつ》につないできたんだけれど、あそこでおとなしく寝ているかしら、きっとおいらの顔を見たがって啼《な》いてるだろうナ。アアもう一ど、クロの背《せ》なかへ乗ってどこかへ遊びにゆきたい……」
「竹童《ちくどう》竹童」となりの部屋《へや》で果心居士の声がする。
「ハイ」
「ハイじゃあない、なにをこの夜中にブツブツ寝言《ねごと》をいっている。なぜ早く寝ないか」
「ハイ」
 竹童はそら鼾《いびき》をかきだしたが、心はなかなか休まらないで、いよいよ頭脳明晰《ずのうめいせき》になるばかりだ。
「ハハア、竹童のやつめ、鷲《わし》の背なかで旅をした味《あじ》をしめて、なにか心にたくらみおるな。よしよし明日《あす》はひとつなにかでこらしておいてやろう」
 いながらにして百里の先をも見とおす果心居士《かしんこじ》の遠知の術《じゆつ》、となりの部屋《へや》に寝ている竹童《ちくどう》のはらを読むぐらいなことはなんでもない。
 とも知らず、夜が明けるか明けないうちに、亀《かめ》の子《こ》のようにムックリ寝床から首をもたげだした竹童、
「しめた! お師匠《ししよう》さまはあのとおりな鼾《いびき》、いくらなんでも寝ているうちのことは気がつくまい。どれ、今のうちにおいらの羽をのばしてこようか」
 ほそっこい帯《おび》をチョコンとむすび、例の棒切《ぼうき》れを腰にさして、ゆうべ食べのこした木《き》の芽団子《めだんご》をムシャムシャほおばりながら、猿《さる》のごとく荘園《そうえん》をぬけだした。
 そのはやいことは、さながら風!
 空にはまだ有明けの月があった。あっちこっちの岩穴《いわあな》からムクムクと白いものを噴《ふ》いている、朝《あさ》の霧《きり》である。竹童のあわい影が平地《へいち》から崖《がけ》へ、崖《がけ》から岩へ、岩から渓流《けいりゆう》へと走っていくほどに、足音におどろかされた狼《おおかみ》や兎《うさぎ》、山鳥などが、かれの足もとからツイツイと右往左往《うおうざおう》に逃げまわる。
 いつもの竹童ならば、こんな場合、すぐ狼を手捕りにする、兎を渓流のなかへほうりこむ。とてもいたずらをして道草するのだが、きょうはどうしてそれどころではない。なにしろこれからお師匠《ししよう》さまの朝飯となるまでに、日本国じゅうの半分もまわってこようという勢いなのだから。
「やアどうしたんだろう、いない! いない!」
 やがて、瘤《こぶ》ケ峰《みね》のてッぺんにある、天狗《てんぐ》の腰掛松《こしかけまつ》の下にたった竹童《ちくどう》は、素《す》ッ頓狂《とんきよう》な声をだしてキョロキョロあたりを見まわしていた。
「おかしいな、きのうかえってから、この松の木の根ッこへあんな太い縄《なわ》でしばっておいたのに、どこへとんでッちゃったのだろう」
 がっかりして、しばらくあっちこっちをうろうろした竹童は、とうとう目から大粒《おおつぶ》の涙《なみだ》をポロリポロリとこぼしながら、あかつきの空にむかって声いッぱい!
「クロクロクロクロ。クロクロクロクロクロ」
 それでも影を見せてこないので、かれはグンニャリとなり、天狗の腰掛松へよりかかってしまったが、ふとこのあいだ居士《こじ》が扇子《せんす》をなげて鷲《わし》を呼びよせた幻術《げんじゆつ》をおもいだし、
「よし、おいらもあの術をまねしてみよう」
 竹童はもう目の色かえて一心である。呪文《じゆもん》はわからないが、腰の棒切れをぬき、一念こめて、エエイッと気合《きあい》を入れて虚空《こくう》へ投げる。
 棒はツツツと空へ直線をえがいてあがった。
「やア、奇妙《きみよう》奇妙」竹童は嬉《うれ》しさのあまり、手をたたき、踊りをおどって狂喜した。
 と見る、谷をへだてたあなたから、とんでくるのはクロではないか、間《あい》の谷《たに》を、わずか二つ三つの羽ばたきでさっとくるなり、投げあげられた棒切れを、パクリとくわえて、かれのそばまで降りてきた。竹童《ちくどう》が有頂天《うちようてん》となったのもむりではない。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%