日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠74

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:魔人隠形の印    四 いつまで見送って、たがいに歯がみしていたところで及ばぬことと、忍剣《にんけん》は一同をはげました
(单词翻译:双击或拖选)
 魔人隠形の印
 
    四
 
 いつまで見送って、たがいに歯がみしていたところで及ばぬことと、忍剣《にんけん》は一同をはげました。そして、そこにたおれている、伊那丸《いなまる》と咲耶子《さくやこ》とに、手当《てあて》を加えた。
 さいわいに、ふたりはさしたる重傷《ふかで》を受けていたのではなかった。けれど、やがて気がついてから、賊将《ぞくしよう》、呂宋兵衛をとり逃がしたと知って、無念がったことは、ほかの者より強かった。ことに、伊那丸は父ににて勝気《かちき》なたち。
「かれらの策《さく》におちて、おくれをとったときこえては、のちの世まで武門の名おれ。わしはどこまでも、呂宋兵衛のいくところまで追いつめて、かれの首を見ずにはおかぬ。民部《みんぶ》、止《と》めるなッ」
 いいすてるが早いか、馬の鞍《くら》つぼをたたいて、まっしぐらに走りだした。と咲耶子も、
「お待ちあそばせや、伊那丸さま。人穴《ひとあな》の殿堂は、この咲耶子が空《そら》んじている道、踏みやぶる間道《かんどう》をごあんないいたしましょうぞ」
 手綱《たづな》をあざやかに、ひらりと駒《こま》におどった武装《ぶそう》の少女は一鞭《ひとむち》あてるよと見るまに、これも、伊那丸にかけつづいた。
 ことここにいたっては、思慮《しりよ》ぶかい小幡民部《こばたみんぶ》も、もうこれまでである、いちかばちかと、決心して、
「加賀見忍剣《かがみにんけん》どの。木隠龍太郎《こがくれりゆうたろう》どの」
 と声高らかに呼ばわった。
「おお」
「おおう」
「そこもとたちふたりは、若君の右翼左翼《うよくさよく》となり、おのおの二十名ずつの兵を具《ぐ》して、おそばをはなれず、ご先途《せんど》を見とどけられよ、早く早く」
「かしこまッた」
 軍師《ぐんし》に礼をほどこして、ふたりは馬に鞭《むち》をくれる。
「つぎに山県蔦之助《やまがたつたのすけ》どの。巽小文治《たつみこぶんじ》どの」
「おう」
「おう」
「ご両所たちは搦手《からめて》の先陣。まず小文治どのは槍組《やりぐみ》十五名の猛者《もさ》をつれて、人穴《ひとあな》の殿堂よりながれ落ちている水門口をやぶり、まッ先に洞門《どうもん》のなかへ斬りこまれよ」
「心得《こころえ》た」
 小文治《こぶんじ》は朱柄《あかえ》の槍《やり》をひッかかえて、十五名の力者《りきしや》をひきつれ、人穴をさして、たちまち草がくれていく。
「さて蔦之助《つたのすけ》どの、そこもとは残る十七名の兵をもって、一隊の弓組《ゆみぐみ》をつくり、殿堂をかこい嶮所《けんしよ》に登って廓《くるわ》のなかへ矢を射《い》こみ、ときに応《おう》じ、変にのぞんで、奇兵《きへい》となって討ちこまれい!」
「承知《しようち》いたしました」
「拙者《せつしや》は、のこりの者とともに後詰《ごづめ》をなし、若君の旗本、ならびに、総攻めの機《き》をうかがって、その時ごとに、おのおのへ合図《あいず》をもうそう。さらばでござる」
 軍配《ぐんばい》のてはずを、残りなくいいわたした民部《みんぶ》は、ひとりそこに踏《ふ》みとどまり、人穴攻《ひとあなぜ》めの作戦|図《ず》を胸にえがきながら、無月《むげつ》の秋の空をあおいで、
「敗るるも勝つも、小幡民部《こばたみんぶ》の名は、おしくもなき一|介《かい》の軍配《ぐんばい》とりじゃ。しかし……しかし伊那丸《いなまる》さまは大せつな甲斐源氏《かいげんじ》の一粒種《ひとつぶだね》、あわれ八幡《はちまん》、あわれ軍《いくさ》の神々、力わかき民部の采配《さいはい》に、無辺《むへん》のお力をかしたまえ」
 正義の声は、いつにあっても、だれの口からほとばしっても、ほがらかなものである。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%