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神州天馬侠89

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:鼻かけ卜斎と泣き虫蛾次郎    一 さすが伊賀衆《いがしゆう》の三羽烏《さんばがらす》、菊池半助《きくちはんすけ》も、可
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 鼻かけ卜斎と泣き虫蛾次郎
 
    一
 
 さすが伊賀衆《いがしゆう》の三羽烏《さんばがらす》、菊池半助《きくちはんすけ》も、可児才蔵《かにさいぞう》にみやぶられて、錆槍《さびやり》の穂先《ほさき》を膝《ひざ》にうけ、そのうえ、投げ縄《なわ》にかかって五体の自由を奪《うば》われては、どうすることもできない。
「ざまをみさらせ! 命《いのち》知らずが」
 蚕婆《かいこばばあ》が毒づきながら、縄のまま半助をひきずってきて、家《いえ》の前の柿《かき》の木へグルグル巻《ま》きにしばってしまった。
「夜明けまでに、手間《てま》いらずの法で殺してやる。うぬばかりでなく、この村へ隠密《おんみつ》にはいる者はみんなこうだ」
 蚕婆は、やがて枯《か》れ木を集めてきて、半助《はんすけ》の身辺に積《つ》みあげ、端のほうから火をつけてメラメラと燃えあがったのを見ると、そのまま家《うち》へはいって寝てしまった。
 焔《ほのお》がたっても、はじめのうちは覆面《ふくめん》や衣類がぬれていたので、しばらくさまでは思わなかったが、やがて衣類がかわき、枯《か》れ木の火焔《かえん》が、パチパチと夜風にあおり立てられてくるにつれて、菊池半助は焦熱地獄《しようねつじごく》の苦しみ。
「ア熱《つ》ッ、ア熱《つ》ッ、アアアアア」
 おもわず悲鳴をあげて、必死に縄を切ろうともだえていた。——すると、その火の手を見て、いっさんにかけてきたのは、鏃鍛冶卜斎《やじりかじぼくさい》の弟子|蛾次郎《がじろう》であった。
「おうそこへまいったもの、はやく拙者《せつしや》の脇差《わきざし》をぬいてこの縄を切ってくれ、早く、早く!」
「やあどうしたんだお侍《さむらい》さんは? 死んじまうぞ。死んじまうぞ」
「はやくしてくれ、早く助けてくれい」
「助けてやったら、なにをくれる?」
 石投げの天才のほか、仕事も下手《へた》、もの覚《おぼ》えも悪く、すこし足らない蛾次郎《がじろう》だが、慾《よく》にかけては、ぬけめがない、半助《はんすけ》は一ときの熱苦もたまらず、うめきながら、
「なんでもつかわすからはやく、ア熱《つ》ッ、あッツツツ」
「よし、きっとだぜ」
 念を押しながら飛びこんで、蛾次郎《がじろう》は枯《か》れ木の火を蹴《け》ちらし、山刀《やまがたな》をぬいて半助の縄目《なわめ》をぶっつり切った。火のなかから跳《と》びだした半助は、ほッとして大地へたおれたが、やにわにまた足の痛手《いたで》を忘れておどりたった。
「わるいところへ、またあなたからあやしい人の足音がしてまいった。おい、おれに肩をかせ、そして、しばらく休息するところまで連れてゆけ。褒美《ほうび》はのぞみしだいにやろう」
「じゃ、おれの親方の家《うち》でもいいかい」
「頼む、あれ、あれ、もう軍馬の蹄《ひづめ》がまぢかにせまる」
「たいへんだ! ことによると雨《あま》ケ岳《たけ》に陣どっている者たちがくだってきたのかも知れないぞ」
 蛾次郎《がじろう》もにわかにあわてだして、半助のからだを背負《せお》って、一目散《いちもくさん》にそこを立ちさった。すると、たった一足《ひとあし》ちがいに、嵐《あらし》のように殺到した一団《いちだん》の軍馬があった。
「それ、常からあやしい蚕婆《かいこばばあ》の家《いえ》をあらためろ!」
「戸を蹴《け》やぶってなかへ、踏《ふ》ンごめッ」
 馬上から十四、五人の武士に、はげしく下知《げち》をしたふたりの武士、これなん、伊那丸《いなまる》の幕下《ばつか》でも、荒武者《あらむしや》の双龍《そうりゆう》といわれている加賀見忍剣《かがみにんけん》と巽小文治《たつみこぶんじ》のふたり。
「おう!」
 と部下は武者声《むしやごえ》をあげるやいなや、蚕婆の家の裏表《うらおもて》から、メリメリッ、バリバリッと戸を踏《ふ》みやぶっておどりこんだ。が、なかは暗澹《あんたん》、どこをさがしても、人かげらしい者は、見あたらなかった。
 と、聞いた忍剣は、
「いや、そんなはずはない。たしかにあやしい男と老婆《ろうば》とが、密談《みつだん》いたしていたのを、間諜《かんちよう》の者が見とどけたとある。この上は自身であらためてくれる」
 と禅杖《ぜんじよう》をひっかかえひらりと馬を飛びおり、巽小文治とともに、家の中へはいっていって八方|家探《やさが》ししたが、部下のことばのとおり、何者もひそんでいなかった。
「ふしぎだ——」
 小文治は、そこにもぬけの殻《から》となっている寝床《ねどこ》へ手を入れてみて、
「このとおり、まだ人のぬくみがある。さすれば、いよいよ逃げた者こそ、あやしい曲者《くせもの》にそういない」
「む、では寝床のわきの床板《ゆかいた》をはねあげてみよう」
 と、忍剣《にんけん》が先にたって、蓆《むしろ》を巻き、板をはいでみるとたちまち、一|間《けん》四方の間道《かんどう》の口が、奈落《ならく》の門のごとく一同の目にうつった。
「おお、これこそ人穴城《ひとあなじよう》へ通じる間道《かんどう》にそういない」
「しめた! その方どもはこの口もとを護《まも》っていて、あやしい者が逃げまいったら、かならず捕《と》りにがさぬように見張っておれ」
 と、いいのこして、忍剣は禅杖《ぜんじよう》をひっ抱《かか》え、小文治《こぶんじ》は槍《やり》の石突きをトンと下ろして、ともにまッ暗な間道のなかへとびこんでいった。
 あとにのこった部下の者は、ひとしく間道口《かんどうぐち》に目と耳を磨《と》ぎすまして、いまに、なにかかわった物音がつたわってくるか、あやしいやつが飛びだしてくるかと、夜もすがら、ゆだんもなかった。
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