[白文]13.子在斉、聞韶、三月不知肉味、曰、不図為楽之至於斯也。
[書き下し文]子、斉に在して(いまして)韶(しょう)を聞く。三月、肉の味を知らず。曰く、図らざりき、楽を為すことの斯(ここ)に至らんや。
[口語訳]先生は斉に滞在している時に、韶の音楽をお聞きになられた。その楽があまりに素晴らしかったので、三ヶ月間の間、肉の味も忘れるほどであった。『私の意図を越えていた、楽がこんなに素晴らしい境地に達することができるなんて。』
[解説]孔子は国家を安定統治するために最も重要なものは『礼制』と『音楽』であると考え、君子たるものは礼楽の道の妙味に精通していなければならないと教えていた。その孔子が斉に滞在していた時に聞いて、肉の味も分からなくなるくらいの超越的な感動を覚えたのが、聖王・舜が作曲したという『韶(しょう)の音楽』であった。