[書き下し文]朝(ちょう)にして下大夫(かたいふ)と言えば、侃侃如(かんかんじょ)たり、上大夫(じょうたいふ)と言えば、言言如(ぎんぎんじょ)たり。君在す(います)ときは、叔昔如(しゅくせきじょ)たり、与与如(よよじょ)たり。
[口語訳]議会(話し合いの場)で下役の下大夫と話される時には、温厚な態度である。上役の上大夫と話される時には、公正中立な態度である。君主がいらっしゃる時には、恭しく謙譲な態度で適度な落ち着きを持っていた。
[解説]孔子の朝廷や議会場における礼節と処世について記した章で、孔子は自分よりも下位の役人に和やかに接し、自分よりも上位の役人に対して過度にご機嫌取りをすることがなかった。中立公正と温雅毅然とした態度をいつも心がけ、君主に謁見する際には礼の道から外れないように敬虔で恭しい態度を守っていたようである。