[書き下し文]司馬牛、君子を問う。子曰く、君子は憂えず懼れず(おそれず)。曰く憂えず懼れず、これこれを君子と謂うべきか。子曰く、内に省みて疚しからざれば、それ何をか憂え何をか懼れん。
[口語訳]司馬牛が君子について質問した。先生はお答えした。『君子は心配したり、恐れたりしないものだ。』。司馬牛はさらにお尋ねした。『心配したり恐れたりしない者は、みんな君子といっていいのでしょうか。』。先生は言われた。『自分自身を内省してやましいところがないのであれば、いったい何を心配して何を恐れるというのだろうか。』。
[解説]孔子が司馬牛に君子について問われた部分で、君子は自分自身の良心や倫理に照らし合わせて何らやましいところがないのであれば、君子といって良いだろうと答えた。司馬牛とは、紀元前492年に宋を訪れた孔子を襲撃した司馬タイ(桓タイ)の弟である。