パナンペは とても いいこで おとうさんや おかあさんの いうことを よくきいて いえの てつだいを しました。
あるひの ことです。
「きょうは てんきが いいから やまへ たきぎを とりにいこう」
パナンペは おのを もって やまへ いきました。
やまは あたりいちめん まっしろに つもった ゆきに おひさまの ひかりが きらきらと かがやいています。
ゆきを かぶった きの えだでは ことりが ないています。
「ああ なんて きれいな うただろう。 でも いったい なんて いっているんだろう?」
パナンペは みみを すましました。
すると ことりは おおきな こえで うたいました。
かにちょろちょろ ぴいつんつん
こがねちゃらちゃら ぴいつんつん
しろがねちんちん ぴいつんつん
「かにちょろちょろって なんの ことだろう?」
ことりは くりかえし くりかえし うたいます。
パナンペは くちを ぽかんと あけて ことりの うたを きいていました。
すると そのとき ことりが きの えだから とびおりて なんと パナンペの おおきくあけた くちの なかへ とびこんで しまったのです。
パナンペは びっくりして おもわず くちの なかの ことりを のみこんで しまいました。
「あっ ことりを のみこんじゃったぞ! おなかが いたく ならないかな?」
パナンペは しんぱいになって そっと おへそのあたりを おさえてみました。
すると おなかの なかから ことりの うたが きこえて きたのです。
「わあ たいへんだあ!」
パナンペは いえへ とんでかえって いいました。
「おとうさん おかあさん ぼくの おなかの なかで ことりが うたを うたうんだよ。 ほら」
おへそを おさえると
かにちょろちょろ ぴいつんつん。
と ことりが うたいだしたので おとうさんも おかあさんも びっくり。
「こりゃ いったい どうしたことじゃ?」
パナンペの うたう おなかは たちまち ひょうばんに なりました。
「ちょっと おへそを おしておくれ」
パナンペが おへそを おすと ことりのうたが きこえてきたので みんなは とても おどろきました。
これを みていた ともだちの ペナンペ(ぺなんぺ)は パナンペが うらやましくて たまりません。
「ふん。 ぼくだって それくらい できるさ」
と パナンペの まねをして おへそを ぎゅーっと ちからいっぱい おしました。
すると おしりから
「ぶーーーーーっ!」
と おおきな おならが でてきたのです。
「ペナンペのは ずいぶんと へんな ことりの うただね。 あはははははははっ」
みんなが おおわらい するので ペナンペは はずかしくなって こそこそと にげだしました。