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十七毛ネコ

时间: 2016-11-28    进入日语论坛
核心提示: むかしむかし、吉四六(きっちょむ)さんと言う、とてもとんちが上手な人がいました。 吉四六さんは面白いアイデアで、お金儲け
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 むかしむかし、吉四六(きっちょむ)さんと言う、とてもとんちが上手な人がいました。 
 吉四六さんは面白いアイデアで、お金儲けをするのが得意な人です。
 ある時、吉四六さんは、町でこんな話しを聞きました。 
「オスの三毛ネコ(→ネコの毛色で、白・黒・茶の三色の毛が混じっているネコ)を船に乗せておくと、どんなにひどい嵐にあっても決して沈む事がない。
 それで船乗りたちはオスの三毛ネコを見つけると、良い値段で買い取るんじゃ。
 何しろメスの三毛ネコはいくらでもおるが、オスの三毛ネコは、めったにおらんからのう」 
 それを聞いた吉四六さんの頭に、お金儲けのアイデアが浮かびました。 
(そういえば、わしの家にオスの三毛ネコがいたな。こいつを使えば、一儲け出来るぞ) 
 そこで吉四六さんは、さっそく浜の船乗り場へ行くと、大きな声でこんな一人言を言いました。 
「この辺には、オスの三毛ネコがたくさんおるのう。
 だがわしの家にいる様な、十七毛のオスネコはさすがにおらんのう」 
 すると一人の船乗りが、吉四六さんに声をかけてきました。 
「十七毛のネコとは、珍しいな。吉四六さん、そのネコを譲ってはくれんか?」 
 しかし吉四六さんは、わざと渋い顔で言いました。 
「いや、売るわけにはいかん。何しろ十七毛のオスネコは、わしの家の宝物じゃ」 
 そう言われると船乗りは、ますます十七毛のネコが欲しくなりました。 
「それなら吉四六さん。お礼に五両を出そう、どうだ?」 
「まあ、それほどに言うのなら仕方あるまい。売る事は出来んが、しばらく貸してやろう」 
「それは、ありがたい。
 ちょうど明日から、大事な仕事があるんだ。
 じゃあ明日の朝に、吉四六さんの家へ取りに行くよ」
 さて翌朝、船乗りは吉四六さんの家へやってくると、財布からお金を取り出して言いました。 
「大事な宝物を借りるのだから、ただでは申し訳ない。お礼に、この一両を受け取ってくれ」 
「はい、せっかくのおこころざしですから、ありがたく頂きましょう。では、オスの十七毛ネコを連れてきますでな」 
 そう言うと吉四六は、家の火鉢の横で寝ていた汚い三毛ネコを抱きかかえてくると、船乗りに渡しました。 
 受け取った船乗りは、不思議そうな顔で吉四六さんにたずねます。 
「吉四六さん。このネコはどう見ても、普通の三毛ネコに見えるのだが」 
 すると吉四六さんは、にんまり笑って説明をしました。 
「確かに、こいつはオスの三毛ネコじゃ。だがこのあいだ、火の残っているかまどにもぐり込んで、背中をちょいとヤケドしました。つまり、八毛」 
「しかし吉四六さん。三毛と八毛を足しても、十一毛にしかならんぞ。十七毛には、まだ六毛が足らんのではないか?」 
「いやいや。尻の毛が、むけておるでしょう。毛が無いので、つまり無毛(六毛)。三毛と、八毛と、六毛を全部合わせると、十七毛ですよ」 
「なるほど。確かにこいつは、三毛と八毛と六毛で、十七毛ネコだ」 
 船乗りは吉四六さんのとんちに感心すると、ほかの船乗りにも同じ話しで自慢してやろうと、その十七毛ネコを喜んで持って帰りました。
 
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