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食物ことわざ事典149

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:鬼も十八番茶も出端 その道の通《つう》に言わせると「番茶も出端」は古くは「山茶《さんちや》も出端」だったそうで、「山茶」
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鬼も十八番茶も出端

 その道の通《つう》に言わせると「番茶も出端」は古くは「山茶《さんちや》も出端」だったそうで、「山茶」はまた「散茶」とも書き、「散茶女郎」の略とのこと。散茶は吉原の遊女の一種で大夫《たゆう》・格子《こうし》・局《つぼね》の下の下級の遊女をさし、「風呂屋の茶汲女が吉原にはいったためこの名が起こり、散茶店は風呂屋造りだった」といわれます。このことわざの「山茶」が、「散茶女郎」のことなら、「散茶も出端」は、さしずめ散茶のような下級の遊女でも店に出はじめのころは、なんとか見られる——という意味になり、「鬼も十八」との組み合わせにもムリがなく、ナルホドとうなずかせます。
ところで「鬼も十八、番茶も出端」ですが、どんな器量のわるい娘でも、十八ぐらいになれば、どことなく娘らしい|なまめかしさ《ヽヽヽヽヽヽ》が出てきて見られるようになる。あまり上等とはいえない番茶でも、熱湯を注ぎ手早く煎《せん》じて熱いうちに飲めば、結構おいしいという意味で、ともども間合い(タイミング)を誤らなければ、それなりに楽しめるということです。
日本茶には抹茶《まつちや》(碾茶《ひきちや》)・玉露《ぎよくろ》・煎茶《せんちや》・番茶——といろいろありますが、空腹どきや油っ濃い料理を食べたあとには、なんといっても番茶がピッタリです。晩葉を用いるところから晩茶(番茶)という名が生まれたとも、また、一番の葉を摘み取ったあと、生えてくるのを待って二番茶、つぎにまたはえるのを待って三番茶……というぐあいに、順番に摘むので、この名が生まれたともいいます。いずれにしても、煎茶用の葉を摘み取ったあと、かたくなった古芽・古葉・枝などを摘んで原料としたお茶で、数ある日本茶のなかでは下級品に属します。
こうした番茶をおいしく入れるには、急須に少々多めと思えるくらい葉を入れ、沸騰《ふつとう》した湯を注ぎ、三〇秒ほどしてから茶碗に入れます。二煎めからは少し時間を長く(一分ぐらい)おいて、十分浸出させてのち、茶碗に入れます。「番茶も出端」といわれるくらいで、おいしいのは、やはり一煎めで、二煎、三煎ともなると、色ばかりで味はありません。いちどにたっぷりの湯を注ぎますので、番茶用の湯呑みは、おすし屋さんで使うような厚手の大ぶりの茶碗が合います。
よく出された番茶は、煎茶とはまたちがったほろ苦味で、くつろいだ気分をかもし出してくれます。近ごろは、お茶汲みの仕事がさげすまれ、心のこもらぬ場合が多く、おいしいお茶にめぐり会える機会はめったにありません。番茶ですら、心をこめるかこめないかで、ひき出されるお茶の味にも、ウンとちがいが出てきます。
急須《きゆうす》に適量のお茶の葉を入れ、入れた茶に見合う熱さのお湯を注ぎ、お茶碗にほどよい濃さに等分に入れ分け、急須に注《つ》ぎさしの湯をのこすことなく、すっかり分けきってちょうど——というお茶の入れ方のできる人が、はたして何人いるでしょう。心もとないかぎりです。何事によらず、細かな神経を行届かせる心づかいがなくなったせいでしょう。残念の極みです。
たててしたふ年も晩茶の昔哉 重頼
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