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八墓村-第七章 木こ霊だまの辻つじの恐怖(7)

时间: 2022-06-16    进入日语论坛
核心提示:暗闇の情熱私の長いこの物語も、ようやく大詰めに近づいてきたようである。その大詰めへ入るまえに、どのような恐ろしい運命が私
(单词翻译:双击或拖选)

暗闇の情熱

 

私の長いこの物語も、ようやく大詰めに近づいてきたようである。その大詰めへ入るまえに、どのような恐ろしい運命が私を待ちうけていたことか。この物語の最初の幕を切って落として以来、私の步いてきた道は、けっして平へい坦たんなものではなかったが、これからお話ししようという、恐怖と危険にくらべれば、ものの数ではないように思われる。だが、そのことはおいおい述べていくことにしよう。

典子にすすめられるままに、その日、私たちは試験的に洞窟の探検をやってみた。このあいだ金田一耕助に教えられたとおり、私はまず最初の場所の鍾乳石に、糸のはしを結びつけると、それをたぐりつつ孔の奥へとすすんでいった。

まえにもいったとおり、「鬼火の淵」の奥に五つの洞窟が口をひらいているのだが、その中の三つまではこのあいだ、金田一耕助が奥をきわめた。そしてあとの第四の洞窟、すなわち「狐の穴」と、第五の洞窟がまだ奥をきわめられずにのこっているのである。ところが私の地図で見ると、このふたつの洞窟は、結局奥でひとつになっているらしいので同じことなら、少しでもなじみのほうが、心丈夫でよかろうと、私は第四の洞窟をえらんで奥へすすんでいくことにした。

私たちはすぐに枝洞窟にぶつかった。しかしそこいらはこのあいだ、金田一耕助がすでに調べたところなので、改めて調べてみる必要はなかった。あのとき私は枝洞窟の数をかぞえていたのだが、金田一耕助が久野おじの死体を発見したのは、たしか十三番目の枝洞窟だったとおぼえている。だからそこへたどりつくまでは、私たちはいちいち枝洞窟をさぐらなくともすむのである。

間もなく私たちはその洞窟にぶつかった。

「そうだ、たしかにこの洞窟だったよ。久野おじさんの死体が横たわっていたのは。ほら、この鍾乳石に傷がついているだろ。これ金田一耕助が、後日の証拠にとつけておいた印なんだ」

「それじゃこれからさきは、まだお入りになったことがないのね」

「ああ、まだ」

「行ってみましょうよ、おもしろいわ。それにこの糸をどんなふうに使うのか見たいわ」

「典ちゃん、きみ、怖くないの」

「ちっとも、だってお兄さまといっしょですもの」

私たちは間もなく第十四番目の枝洞窟にぶつかった。そこで私はいままでたぐってきた糸を、糸巻きごと、そこにある鍾乳石に結びつけると、別の糸巻きの糸のはしを同じ鍾乳石に結びつけ、その糸をたぐりながら枝洞窟の中へ入っていった。

この枝洞窟はかなり深く、奥のほうには、また小さな枝が生まれていた。そこで第二の糸巻きごとそこにある鍾乳石に結びつけ、さらに第三の糸巻きのはしを同じ鍾乳石に結びつけると、その糸をたぐりながら孫洞窟へ入っていった。しかし、この孫洞窟はすぐ奥で袋になっていたので、糸巻きの糸をまきながら、さっきのところへ出てくると、第三の糸巻きはポケットにしまいこみ、第二の糸巻きの糸をたぐって、さらに奥へすすんでいったが、これもまた間もなく袋になっていた。そこでその糸を巻きながら引き返してくると、間もなく第一の糸巻きのところへ帰ってきた。

「まあ、すてき!」典子はひどく喜んで、

「糸を追うなんて、まるで妹いも背せ山やまとお三み輪わみたいね。でも、こうすると絶対に帰り道を見失うことはないわね」

「そうだよ。いまの洞窟みたいに袋になっていれば、別に糸なんかいらないが、網の目みたいにクロスしてたり、いつの間にやらもとの洞窟へ帰っていたりすると、しまいにはわけがわからなくなって、もと来た道だと思いながら、奥へ奥へとすすんでいることがあるからね。そんなときはこの糸さえあれば迷うことはない」

そこで私はこのあいだ、枝洞窟へ入っていった金田一耕助が、いつかこの洞窟へ出ていて、向こうからやってきた話をしてきかせた。

「まあ! 気味が悪いわね。するとこの糸、切らさないようにしなきゃだめね」

「そうだよ。だからあまり強くひっぱらないようにしよう」

私たちはそれからなおも奥へ奥へとすすんでいった。典子はおもしろがって、もういいかげんに帰らなきゃといっても、もう少し、もう少しといってきかなかった。私たちはその後もいくつかの枝洞窟にぶつかったが、片っぱしから中を探ってみたことはいうまでもない。それらの枝洞窟の中には、ずいぶん複雑なのがあって、第三、第四、第五の糸巻きを使わねばならぬようなのもあった。また、孫洞窟をたどっていくと、いつの間にかそれが親洞窟へ帰っていたようなこともあった。

「まあ、おもしろいわね。この糸がなければ、これがいま自分たちの步いてきた洞窟とは、全然気がつかないわね」

典子はますます興に乗った。

ところがそのうちに、私たちは、とてもふかい枝洞窟にぶつかったのである。この枝洞窟にはあまりたくさん孫洞窟はなかったけれど、いくら行っても果てしがないので、私はだんだん不安になってきた。

「典ちゃん、これはいけない。この洞窟はきりがないぜ。ここらでそろそろ引き返そうよ」

「ええ、でも、もう少し行ってみましょう。それできりがつかなかったら、そのときは引き返してもいいわ」

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