日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

假面恐怖王-移动的房间

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:ふしぎな部屋 おはなしかわって、ここは明智探偵事務所の一室です。「ハハハハ、おもしろくなってきたぞ。てごわいどろぼうが、
(单词翻译:双击或拖选)

ふしぎな部屋


 おはなしかわって、ここは明智探偵事務所の一室です。
「ハハハハ……、おもしろくなってきたぞ。てごわいどろぼうが、あらわれたぞ。小林君、有馬さんの有名な『星の宝冠』がぬすまれてしまった。そいつから、いま電話がかかったのだ。ぼくに来ちゃいけないって、いったよ。やっぱり、ぼくがこわいんだね。だから、すぐいくことにする。自動車をよんでくれたまえ。」
 明智探偵が、そばにいる助手の小林少年にいいつけました。
「先生ひとりですか。ぼくは、いかなくていいのですか。」
 小林少年が、ふふくそうにいいます。
「きみは、留守番だ。ぼくに万一のことがあったとき、ぼくをたすけるのが、きみの役だからね。きみとぼくとは、なるべく、はなれているほうがいい。」
 そういわれると、小林少年も、かえすことばがありません。すなおにハイヤーの会社へ電話をかけました。
 しばらくすると、明智の事務所のある高級アパートの入口で、自動車のクラクションがなりました。「おむかえにきました。」というあいずです。明智探偵は小林少年に留守をたのんで、ひとりで玄関から出てきました。そして、そこの大通りにとまっている自動車のほうへ歩いていきます。すると、そのとき、へんなことがおこったのです。アパートの前のくらやみの中から、ひとりの男が、とびだしてきました。三十ぐらいの、よたもののようなやつです。その男が明智探偵のうしろへ、そっと近寄っていくのです。自動車のドアはあいていました。明智はその中へはいろうとしましたが、なにを感じたのか、はっとしたように身をひきました。いつもの自動車とちがっていることがわかったからです。運転手もへんなやつだし、うしろの席に、見かけたことのない男が腰かけていたのです。
 身をひこうとすると、うしろから、どんと、ぶつかってくるものがありました。さっき、やみの中からあらわれた、よたものみたいなやつです。
 そいつは、明智のからだをグングン自動車の中へ、おしこもうとします。すると、中にいたやつも腰をあげて、明智の首に腕をまきつけ、ちからいっぱい、車の中にひっぱりこむのです。
 あいてはふたりのうえ、ふいをつかれたので、さすがの名探偵もどうすることもできません。もう十二時に近い夜ふけですから、人どおりもなく、だれもたすけにきてくれるものはありません。
 しかたがないので、大きな声でさけぼうとしました。すると悪者は、はやくも、それをさっして、白いハンカチのようなもので、明智探偵の口と鼻をふさいでしまいました。
 ツーンと頭にひびくような、いやなにおいがしました。麻酔(ますい)薬です。……まもなく、名探偵は、自動車の中で気をうしなっていました。
     ×  ×  ×  ×
 明智探偵は、ゆめからさめたように、ふと目をひらきました。
 見まわすと、なかなか、いごこちのいい部屋です。せまい部屋ですが、一世紀もまえのフランスの客間を思いだすような、ぜいたくな、うつくしい部屋でした。
 てんじょうからは水晶玉でかざったシャンデリアがさがり、白くぬった、きゃしゃなテーブル、ふかぶかとしたクッションの、りっぱな長いす。
 明智は、やっと思いだしました。
「ああ、ぼくは、悪者につかまえられたのだ。そして、麻酔薬をかがされて、気をうしなってしまったのだ。」
 まだしばられているのではないかと、手足を動かしてみましたが、まったく自由でした。ただ長いすの上によこになって、グッスリねむっていたらしいのです。
 そのとき、明智が目をさますのを待ちかねていたように、ドアがあいて、ひとりのうつくしい少女がはいってきました。高校生ぐらいの年ごろです。手にはコーヒーをのせた銀のぼんをささげています。
「お目ざめになりまして?」
 少女は銀のぼんをテーブルの上において、やさしく明智探偵に話しかけました。
「ほんとうに、たいへんでしたわね。でも、どこもおいたみになりません。」
 明智探偵は、ゆめみたいな気持で、しばらくぼんやりしていましたが、どうもわけがわかりません。
「ここは、いったいどこの、おうちなんでしょう? そして、あなたは?」
と、たずねてみました。
「あなたを、おたすけしたひとのうちですわ。あたしは、そのうちのむすめです。」
「そうでしたか。ぼくは悪者のために自動車におしこまれ、麻酔薬をかがされて気をうしなってしまったのですが、あれから、どのくらい時間がたったのでしょう。そして、ここは、やっぱり東京なのでしょうか。」
「ええ、まあ、そうですの。でも、あなたは、まだ、いろいろなこと、お考えにならないほうがよろしいですわ。」
「なあに、もう、だいじょうぶですよ。どこも、なんともありません。すこし、頭がフラフラするぐらいのものです。」
 明智はそういって、長いすの上に、おきなおってみせました。しかし、そうして身をおこしてみると、やっぱり、からだがほんとうでないのか、部屋ぜんたいがグラグラゆれているように感じて、おもわずいすの上に手をつきました。
「まだ、だめです。めまいがします。なんだか、この部屋がフワフワと、宙にういているような気持です。」
「ほら、ごらんなさい。むりをしてはいけませんわ。」
「しかし気分はなんともないのです。どうか、ご主人にあわせてください。おれいをいわなければなりません。」
「そんなことはいいんですの。それに、いま主人はおりませんし……。」
 そのとき、明智は、この小部屋のつくりかたが、どうも、ふつうでないことに、やっと気がつきました。
「おやっ、この部屋には窓がひとつもありませんね。だから、昼間でも、こうして電灯をつけておくのですか。みょうな部屋ですね。いったい、いまは昼ですか、夜ですか。」
「夜ですの。いま八時ですわ。」
「いく日の?」
「十六日。」
 少女はそう答えて、口に手をあててクスクス笑いました。
「ぼくが自動車におしこめられたのは、十五日のばんだから、あれから、まる一日たっているわけだな。」
と、ひとりごとをいったものの、なんだかへんな感じです。この少女の、みょうになれなれしい口のききかた、窓のひとつもない部屋、それに、いつまでたっても、部屋がユラユラゆれているような感じ。
「この部屋は、いったい、何階にあるのです。なんだか、いつもユラユラしていて、高い塔の上にでも、いるような気持ですね。」
「そうかもしれませんわ。」
 少女は、心の中で笑っているような口ぶりです。
「でも、いごこちは、わるくないでしょう。しばらく、おとまりになる間、できるだけ、お心持ちのいいようにと、いいつけられていますのよ。お気にめさないことがありましたら、なんでも、おっしゃってくださいまし。」
 少女はなかなか、おせじがいいのです。
「しばらく、おとまりですって? じょうだんじゃありません。ぼくは、だいじな用件があるんですよ。」
 明智探偵は、あきれかえってしまいました。まるでキツネにつままれたような気持です。
「いいえ、そんなにおあせりになっては、だめですわ。なにもお考えなさらないほうがいいわ。」
 少女は、まるで、きのどくなきちがいでもなぐさめるような調子で、
「では、のちほど、またまいりますわ。さめないうちにコーヒーを、めしあがってくださいまし。」
 少女はそういいすてて、逃げるようにドアのほうへいきますので、明智は、「まってください、まってください。」と、よびかけながら、いすから立ちあがって少女のあとをおいかけようとしましたが、二―三歩あるくと、なにかに足をとられて、バッタリたおれてしまいました。
「ホホホホ……、ほらごらんなさい。ですから、じっとしていらっしゃるほうがいいのよ。」
 少女はあざけるようにいって、ドアのほうへ歩いていきました。
 気がつくと、明智探偵の足くびに、鉄の輪がはめてあって、それについた鉄のくさりが、長いすのあしに、くくりつけてあることがわかりました。まるで動物園のクマのように、そのくさりののびるだけしか、動けないのです。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: