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青铜魔人-恶魔的美术馆

时间: 2021-10-30    进入日语论坛
核心提示:悪魔の美術館 そこへ、道化師がもどって来ました。「さあ、これから七つの宝ものの部屋を見せてあげよう。きみたち、びっくりす
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悪魔の美術館


 そこへ、道化師がもどって来ました。
「さあ、これから七つの宝ものの部屋を見せてあげよう。きみたち、びっくりするぜ。」
 道化師は小林君たちをあんないして、魔人の美術館を見せてくれました。魔人の盗みためた、いろいろの宝ものが、地の底の七つの部屋にかざってあるのです。
 時計の部屋には、大小さまざまの時計が、まるで時計屋の店のようにならび、一方のすみには、大きな時計塔までかざってあります。そして、そのまん中の、いちばん目につきやすいところに、手塚さんの蔵の中から盗んで来たばかりの、皇帝の夜光の時計が、りっぱな黒ビロウドの台の上でキラキラとかがやいていました。
 仏像の部屋には、見あげるばかりの大きな仏像が、まるで博物館のように立ちならび、絵の部屋には古い日本の名画や西洋の名高い油絵が、ズラリとかけならべてあります。そのほか、宝石の部屋、織物の部屋、蒔絵(まきえ)の部屋など、よくもこれだけ盗みあつめたものだと、びっくりするほどでした。魔人が「美術館」だといっていばっているのも、もっともです。
 小林君はすっかりおどろいてしまいましたが、それといっしょに、魔人をにくむ心がムラムラと胸の中にもえあがって来ました。なんというおそろしい悪人だろう。こんなやつを一日も自由にさせておいてはいけない。「ぼくは、どんなことがあっても、ここをぬけだしてみせる。そして、明智先生や警察にこれを知らせて、魔人をとらえ、この宝ものをもとの持ち主に返すんだ。きっと、やってみせるぞ。」と、かたく心にちかうのでした。
「エヘヘヘヽヽヽ、どうだい、魔人さまの美術館はたいしたもんだろう。サア、見物がすんだら、魔人さまにお目みえだ。小林君ははじめてのお目みえだね。なあに、こわいことはない。きみをとって食おうとは、おっしゃらないよ。」
 道化師がさきに立って、石のトンネルをグルグルとまわって行きますと、奥のほうにうす暗い部屋がありました。
 十畳ほどの部屋ですが、まわりに黒ビロウドのかべかけが幕のようにたれていて、天井から、へんなかっこうのつりランプがさがっています。それが今までの部屋とは、くらべものにならないほど、うす暗いのです。
 小林君たちが、そこへはいって行きますと、正面のビロウドの幕がユラユラと動いて、その合わせ目から、青銅の魔人の姿がヌーッとあらわれ、いきなりギリギリと、例のはげしい歯ぎしりの音をさせました。何か大声にどなっているのです。
「さあ、魔人さまのおおせを通訳するから、よく聞くんだぜ。いいか。……小林、きさまはよくも、おれをひどい目にあわせたな。だが、おれは神通力(じんつうりき)をもっているんだ。あの煙突からおちて死んでしまったけれども、見ろ、こうしてちゃんと生きている。きさまの先生の明智なんかにつかまるようなおれじゃない。わかったか。そこで、きさまはばつとして、一生この地の底にとじこめておくことにする。きょうから明智の弟子でなくて、おれの弟子になるんだ。どうだ、うれしいか。なに明智にあえないのが、かなしいというのか、ワハハハヽヽヽ、しんぱいするな。明智ならいまにあわせてやる。あいつも、きさまと同じように、この魔人国のとりこにして、青銅人間にしてしまうつもりだからな。そうすれば、毎日、明智にあえるというもんだ。ワハハハヽヽヽ。」
 道化師はそこでプッツリ口をとじました。魔人も歯ぎしりをやめて、おどかすように、青銅の両手を大きくふったかと思うと、そのまま、また幕のうしろへかくれてしまいました。小林君は何かいってやろうと思ったのですが、自由に口がきけないうえに(さいぜん、食事の時、鍵でひらいてくれた下あごは、またもとのとおり、ふさがれていたのです)アッと思うまに魔人が姿を消してしまったので、何をいうまもありませんでした。
 それから一週間ほど、小魔人の姿をした小林君たち三人の、地底のふしぎなくらしがつづきました。
 青銅の魔人はひとりなのか、それとも、ふたりも三人もいるのか、そこがどうもよくわかりません。はじめに黒ビロウドの部屋で出あったほかは、魔人は小林君たちを、一度もそばへよせつけません。ただ、トンネルを歩いていたり、石の部屋へはいって行ったりするのを、遠くからチラチラと見るばかりです。それがみなまったく同じ姿なのですから、相手が幾人いるのだか、すこしもけんとうがつきません。道化師にそのことをたずねても、ヘラヘラ笑うばかりで答えてくれないのです。
 小林君たちはべつにひどい目にあうわけでもなく、一室にとじこめられることもなく、ただ時々いろいろなものを運んだり、炊事の手つだいをさせられるぐらいで、これといって苦しいこともありませんが、この地の底から、いつまでも出られないのが、何よりもつらいのです。
 石のトンネルの一方のはじに、いつもげんじゅうに鉄の戸のしまっている所があります。どうやら、そこが地上への出口らしいのですが、鍵がかかっているとみえ、その戸はおしても引いてもビクとも動きません。
 ある時、小林君がその戸をしらべていると、とつぜん、うしろに人の声がしました。
「エヘヘヘヽヽヽ、だめ、だめ、その戸のむこうがわに出ると、いのちがないのだよ。おそろしい地獄が口をひらいて待っているんだ。悪いことはいわない。この戸のむこうへ出ようなんて、けっして考えるんじゃないよ。」
 いつのまにか、例の道化師が、そこに来て、ヘラヘラ笑っているのでした。小林君はその時、道化師のいったことは、ただのおどかしだろうと思いましたが、あとになって、けっしておどかしでなかったことがわかるのです。その戸の外には、ほんとうに身の毛もよだつ地獄があったのです。

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