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一寸法师-畸形魔(09)

时间: 2021-09-29    进入日语论坛
核心提示:「例の中之郷O町の家(うち)だね。君はその後あの家を調べて見たかね。あすこは以前長い間一種の淫売窟(いんばいくつ)だったんだ
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「例の中之郷O町の(うち)だね。君はその後あの家を調べて見たかね。あすこは以前長い間一種の淫売窟(いんばいくつ)だったんだよ。非常に秘密な素人の娘や奥さんなんかを世話する家だった。その方の通人達にはかなり有名なんだけれども、近所の人達はまるで知らない。そのあとをあの怪物が借りたんだ。だから、よくそんな家にある様に、あの家には二階から秘密の抜道が出来ている。万一警察の手入のあった時の逃場だね。それが、押入の中から隣家との壁と壁の間を通って、飛んでもない所へ抜けているんだ。君があんなに見張っていて逃げられたのも無理ではないのだよ」
「そうとは知らなかった。馬鹿馬鹿しい訳ですね。一体どこへ抜けているんです」
 紋三は変にあっけない気がした。
「養源寺の裏手へ抜けているんだ。君は気づいていたかどうか。養源寺は中之郷A町にある。そのA町とO町とは背中合せじゃないか。つまりA町の養源寺から入ってO町へ抜けることも出来れば、O町の例の家から養源寺の寺内を通ってA町へ抜けることも出来るんだ。表通りを廻れば二三町もあるけれど、抜道からでは隣同志だ。ところが、養源寺といえば、いつか君が一寸法師の入るのを見た寺だ。ね、大体見当がつくだろう。これが彼奴(きゃつ)の手品の種なんだよ」
「なる程背中合せに当りますね。ちっとも気がつかなんだ」
「だが彼奴の逃道はもう一つあるんだ。同じA町の養源寺の墓場の裏手に、これも背中合せだが、妙な人形師の店がある。あの不具者はここの家からも出入(ではい)りしていたことが分った。つまり彼奴の住家(すみか)は、三つの違った町に出入口を持っている訳だ。彼奴があれだけの悪事を働いて、今日まで秘密を保つことが出来たのは、全くこの出没自在な出入口のお蔭といってもいい」
「すると、あの寺の和尚や、その人形師なんかも仲間なんですね」
「無論そうだね。仲間以上かも知れない」明智は例の人をじらす様ないい方をした。「そこで、今日はその三方の入口から包囲攻撃をやる訳なんだ」
「では(せん)だって山野の奥さんと一緒にO町の家へ入った男はだれです」紋三が尋ねた。「やっぱり仲間の一人でしょうか」
「その男は跛だったね」
「エエ、跛でした」
「じゃ、それがあの一寸法師なんだよ。顔に見覚えはなかったかい」
「鳥打帽子と大きな眼鏡で隠していて、それに暗かったのでよく分りませんが、だって、一寸法師がどうしてあんな大男になれるのです」
「そこだよ。その点が又、奴の悪事の露顕(ろけん)しなかった理由だよ。奴は暗の世界でだけ一寸法師で、昼間は普通の人間なんだ。恐しい手品だ」
「でも、どうしてそんなことが出来たのです」
「奴は子供の時分怪我(けが)をして両足に大手術をやったというのだ。つまり義足をはめている体なのだ。小人というものは首や胴体は普通の人間と変りはない。ただ足だけが不自然に短いものだということを考えて見給え」

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