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宇宙怪人-树上怪人

时间: 2021-10-01    进入日语论坛
核心提示:樹上の名探偵 ゆりかさんをかかえた怪人は、走りにはしって、れいの巨大なカシの木のある、あき地までたどりつきました。そして
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樹上の名探偵


 ゆりかさんをかかえた怪人は、走りにはしって、れいの巨大なカシの木のある、あき地までたどりつきました。そして、カシの木の幹に、もたれかかって、ホッと、ひといきついているようすでした。
 宇宙怪人は、いつも、このカシの木の上から、空に飛びたったのです。今夜も、そうするつもりなのでしょう。ひとやすみすると、ゆりかさんをかかえなおして、グッと上のほうを、にらみました。
 四方に枝をのばして、あき地ぜんたいを、おおいかくすほど、よくしげった、大きなカシの木です。
 怪人が見あげていますと、枝と枝、葉と葉が、かさなりあって、まっくらな中から、かすかなもの音が、聞こえました。そして、その音が、だんだん、大きくなってくるのです。ガサガサと、なにか生きものが、高い枝の上を、はっているような音でした。
 怪人は、ふしぎそうに、その音のするほうを、見あげましたが、なにも見えません。ただ、ガサガサいう音が、ますます、ひどくなるばかりです。
 音のようすでは、小さな動物ではありません。よほど大きなやつです。しかし、東京の町のなかに、サルがいるはずはないのです。いったい、なにものが、木の上に、ひそんでいるのでしょう。
 怪人は、よほどふしぎに思ったらしく、銀仮面を空にむけて、身うごきもせず見つめていましたが、やがて、たまらなくなったのか、
「ダレダ、ソコニイルヒト、コタエナサイ、ダレダ。」と、奇妙な、しわがれごえで、どなりました。
 すると……
「ハハハハ……。」
 高い木の枝の上から、いきなり、人間の笑いごえがきこえました。そして、ガサガサと葉のすれあう音がして、下から見える大きな枝の上に、黒いものがあらわれました。人間です。黒い洋服をきた人間です。遠くの街灯のひかりで、おぼろげに、そのすがたが見わけられるのです。
「ダレダ、キミ、ダレダ。」
 怪人が、おびえたような声で、どなりました。
「ハハハハ……、人間だよ。明智小五郎という日本人だよ。」
 木の上の人が答えました。ああ、明智探偵はこんなところにかくれていたのです。それにしても、木の枝の上の名探偵とは、なんという、ふしぎな、とりあわせでしょう。
「ア、ケ、チ、コ、ゴ、ロ……、ア、ケ、チ、コ、ゴ、ロ……。」
 怪人は、ひとりごとのように、つぶやきました。
「りこうなきみは、ぼくの名を、ちゃんと知っているはずだ。きみにとっては、いちばん、おそろしい敵なんだからね。」
「アケチ、シッテル、アケチ、ナゼ、キノウエニ、イルカ。」
「きみがくるのを、まっていたのさ。きみは、このカシの木の上から、飛びたつにきまっているのだからね。ぼくは、ここにがんばって、きみの神通力(じんつうりき)のじゃまをしているんだよ。わかったかね。」
 樹上の名探偵は、なぞのようなことを言いました。しかし、怪人には、その意味がわかったものとみえて、きゅうに、あわてだしたようです。そして、いきなり、ゆりかさんを、地面においたまま、その場を逃げだしました。ものをも言わず、ひじょうな早さで、カシの木の下から走りさり、またたくまに、そのすがたは、やみの中に消えうせてしまいました。
 明智探偵は、ゆっくり、木の上からおりると、怪人を追っかけようともせず、そこにたおれていたゆりかさんを、だきおこし、ハンカチのさるぐつわをとって、かいほうするのでした。
 こうして、ゆりかさんは、たすかったのです。しかし、なぜ、宇宙怪人は、ゆりかさんをすてて逃げだしたのでしょう。星の世界の怪人が、明智探偵を、それほどおそれるわけがあるのでしょうか。じつにふしぎです。さっき、木の上から、明智探偵が言ったことばに、なにか秘密があるのかもしれません。まるで魔法のような力でした。怪人ではなく、ぎゃくに、明智のほうが、魔法つかいになったように見えるのでした。
 それから、明智はゆりかさんを、ぶじにおうちへつれかえり、おとうさんや一郎君に、手わたしました。そのころには、コンクリートのくらのほうにいた捜査課長をはじめ、おおぜいの人が、平野君のおうちへ来ていましたので、それらの人々が、明智探偵をとりかこんで、そのてがらを、ほめたたえるのでした。
 明智は、ただ、笑っているばかりで、くわしいことは、なにも言いません。名探偵だけが知っている秘密があるのです。しかし、まだ、それをうちあけることができないのです。ああ、いったい、それは、どんな秘密だったのでしょうか。
 ところが、そのよく朝、東京じゅうの人をアッと言わせるような、ふしぎなことが、おこりました。
 上野公園の五重の塔のてっぺんの、あのヤリのような鉄棒に、ひとりの少年がつかまって、ふるえていたのです。ボロボロにやぶれた服をきた、乞食のような少年でした。それに気づくと、塔のまわりは、おそろしい人だかりになりました。あの子どもは、いったいどうして、あんな高いところへ、のぼることができたのかと、それが、なにより、ふしぎでした。
 それから、警察や消防署の人々が、かけつけ、塔のいちばん上の階から、まるたで足場を組んで、半日がかりで、やっと少年をたすけおろしたのですが、これが、その日の夕刊に、大きな写真入りでのったものですから、東京じゅうの人が、そのさわぎを知って、びっくりしてしまいました。その少年は、チンピラ別働隊のひとりでした。宇宙怪人は、明智探偵にじゃまをされたのを、おこって、そのしかえしのために、チンピラ隊のひとりをとらえて、空をとび、五重塔のてっぺんに、おきざりにしたのです。少年の話で、それがわかりました。
「こわかったぜ。大きなコウモリのようなはねで、フワフワと、空を飛ぶんだもん。まるで飛行機にのってるみたいだった。だが、塔のてっぺんにおきざりにされたときは、もう、死ぬかと思った。夜があけるまで、だれも来てくれないんだもん。ほんとにおそろしかったよ。」
 少年はチンピラ隊のなかまへ帰ったとき、身ぶるいしながらそんなふうに話して聞かせるのでした。
 さて、ゆりかさんをつれさることに失敗した怪人は、つぎには、どんなおそろしいことを、たくらむのでしょう。

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