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宇宙怪人-庞大的怪鱼(01)

时间: 2021-10-02    进入日语论坛
核心提示:大怪魚「ねえ、きみ、ふつうの地下室にしては、あんまり深すぎるじゃないか。虎井先生は、いったい、どこにいらっしゃるの?」 
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大怪魚


「ねえ、きみ、ふつうの地下室にしては、あんまり深すぎるじゃないか。虎井先生は、いったい、どこにいらっしゃるの?」
 小林少年は、地下への階段が、いつまでもつづいているので、すこし心ぼそくなって、たずねました。すると、うつくしい軍服の少年は、すずをふるような、きれいな声で笑いながら、
「もう、じきだよ。むろん、ふつうの地下室じゃないさ。きみは、きっとびっくりするよ。想像もできないような、ふしぎな部屋なんだ。ぼくの先生は、世間の人が、思いもよらないようなことを、お考えになるんだよ。」
 と、じまんらしく、言うのでした。
 コンクリートの階段を、三十段もくだると、やっと横道になり、しばらく歩くと、こんどは、のぼりの階段があって、それを七、八段あがると、パッタリ道がとだえてしまいました。頭が、天井につかえて、のぼれなくなったのです。
「ここに、また、秘密の戸があるんだよ。」
 白い軍服の少年はにこにこしながら、そう言って、かべのすみの、かくしボタンを押しました。すると、頭のうえのコンクリートの天井が、音もなくスーッとあがって、そこにポッカリと、大きな口がひらいたのです。
 ふたりの少年が、その穴をはいあがりますと、厚いコンクリートの板は、もとのとおりにしまって、どこに入り口があったのか、すこしもわからなくなりました。
 そこは、大きな部屋でした。なにか、わけのわからない機械が、ゴチャゴチャとおいてある、りっぱな部屋でした。
「きみ、ここは、どこだと思う?」
 軍服の少年が、みょうな笑いをうかべて、小林君を、からかうように、言うのです。
「どこだって? やっぱり地下室なんだろう。のぼった階段は、七、八段だし、おりた階段は三十段もあったんだからね。」
「ところが、地下室じゃないんだよ。そのしょうこを見せてあげよう。ホラ、ここへきて、そとをのぞいてごらん。」
 少年がゆびさしたのは、大きなガラス窓でした。二メートル四方もあるような、ひろい窓で、そこに厚い一枚ガラスが、はめこんであるのです。まるで、ショウウインドウのような窓です。見まわすと、同じような窓が、部屋の四方についていることが、わかりました。
 小林君は、その窓ガラスごしに、そとを見ると、思わず「アッ。」と、声をたてました。窓のそとには、意外なものがあったのです。そこには水があったのです。
「ここは、東京湾と隅田川のさかいめの水の底だよ。先生は鉄きんコンクリートの家をつくって、ここへしずめ、地下道で来られるようになさったのだよ。これは、つまり、水の底の別荘なんだよ。ごらん、きれいだろう。」
 ガラスのむこうには、いろいろなもがユラユラゆれて、まるで、ふかいくさむらのようです。そのあいだを、小さいさかなが、スーイ、スーイとおよいでいるのが、手にとるように見えます。ちょうど水族館にいる気持ちです。水族館では、箱の中に水がはいっているのですが、ここは、部屋の中だけに水がなくて、そとは、すっかり水にかこまれているのです。
 家のそとのどこかに、電灯がついていて、水の中をてらしているらしいのですが、そのひかりが、あまり強くないので、遠くのほうは暗くて、よく見えません。ふかい森林の中へ、まよいこんだようで、なんとなくきみが悪いのです。
「やあ、きれいだなあ。」
 小林君が、思わず、声をあげました。小さいさかなが何十ぴきも、カスリのもようのようにキチンとならんで、窓のまえを、よこぎってゆきます。そのさかなのからだが、金色や銀色にキラキラ光って、じつにうつくしいのです。
 小林君は、時間のたつのもわすれて、このふしぎな水族館に見とれていましたが、しばらくして、ふと気がつくと、水の中のむこうのほうの暗いところから、なんだか、えたいのしれない、へんなものがあらわれてきました。

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