返回首页

宇宙怪人-地底下的楼梯(01)

时间: 2021-10-01    进入日语论坛
核心提示:底しれぬ階段 小林君はそのとき、なんともいえぬ、みょうな感じにおそわれました。 部屋には、だれもいないことがわかっている
(单词翻译:双击或拖选)

底しれぬ階段


 小林君はそのとき、なんともいえぬ、みょうな感じにおそわれました。
 部屋には、だれもいないことがわかっているのです。それでいて、なんだか、すぐそばに、人がいるような気がします。だれかが、ジーッと、自分のほうを、見つめているような気がします。
 小林君は、思わず、部屋の中を見まわしました。しかし、どこにも、人のかくれるような場所はありません。
 そうして、しばらくのあいだ、墓場のように、しずまりかえった広間に、立ちつくしていましたが、ふと、どこかで、かすかなもの音がしました。
 ギョッとして、ふりむくと、部屋の入り口に、白いものが立っていました。びっくりするほど、うつくしい少年でした。小林君もかわいらしい顔をしていましたが、この少年のは、かわいらしいというよりも、うつくしいのです。
 戴冠式(たいかんしき)の行列の中にいる、西洋の少年貴族のような、まっ白な軍服を着ていました。えりと肩に、ピカピカ光るかざりがつき、手くびのところにも、金モールのすじがあり、肩から、わきの下にかけて、金色のひもがまといつき、白ズボンの両がわには、太いまっかなすじが、とおっています。
 小林君は、この少年も、ロボットではないか、あのうつくしい顔は、ロウでできているのではないかと思いました。
「ヤア、いらっしゃい。小林君ですね。」
 その少年が、にこにこしながら、さわやかな声で呼びかけました。さっきの黒んぼうのようなガラガラ声ではありません。たしかに人間の声です。
「あなたは、だれですか。ぼくは虎井先生にお目にかかりたいのですが。」
 小林君が、あっけにとられたような顔で言いますと、うつくしい少年は、こともなげに答えました。
「わかってますよ。ぼくは虎井先生の少年助手ですよ。ちょうどきみが、明智先生の少年助手であるようにね。うちの先生は、きみをまっています。いま、あんないしますよ。」
 小林君は、それを聞いて安心しました。
「どうして、そんなふうをしているの。まるで軍人みたいだね。それがきみのふだんの服ですか。」
「そう。うちの老先生は、こんなピカピカした服がすきなんだよ。その服が、おまえに、いちばんよく似合うって。」
 ふたりの、おなじ年ごろの少年は、すぐに、したしくなってしまいました。
「きみの先生は、ずいぶんかわってるんだねえ。ロボットの黒んぼうに、玄関番をさせたりして……。」
「ハハハ……、かわっているよ。なんでもかわっているんだ。きみは、これから、たくさんおどろくことがあるよ。しかし、うちの先生は、えらい学者だよ。先生の発明を見たら、きみはきっと、びっくりしてしまうよ。」
 うつくしい少年は、さも、ほこらしげに言うのでした。
「ねえきみ、ぼくは、さっき、ここでひとりでまっていたとき、だれかが、すぐ近くにいるような気がしたんだよ。へんだねえ。この部屋には、かくし戸でもあるんじゃないかい。」
「かくし戸もあるよ。しかし、きみがさっき、だれかいると思ったのは、ぼくだったのさ。」
「エッ、きみだって。きみ、どこにかくれていたの?」
 小林君がびっくりして、たずねますと、少年は、ニヤニヤ笑いながら、かべにはめてある、大きな鏡を、ゆびさしました。
「この中だよ。」
「エッ、鏡の中だって?」
「そうじゃない。この鏡の、むこうがわの部屋にいたんだよ。この鏡は、こちらから見れば、ふつうの鏡だけれど、うらから見ると、この部屋の中が、すっかり見すかせるんだよ。あちらの部屋にいれば、この鏡は、大きなガラス窓と、おんなじなんだ。それで、ぼくは、この鏡のむこうがわから、しばらく、きみのようすを、ながめていたんだよ。だもんだから、きみは、近くに人がいるような気がしたんだ。」
「すると、客をこの部屋にいれておいてまず、鏡のうちから、のぞいて見るんだね。まるで探偵のうちみたいだね。」
「そうだよ。うちの老先生は、探偵がすきなんだよ。だから、ここには、いろんなしかけがある。そして、明智先生のこともよく知っているんだ。うちの先生は、いつも、きみをほめているよ。子どもにしては、えらいもんだって。ぼく、そのたびに、きみが、うらやましくなっちまう。」

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
[查看全部]  相关评论