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宇宙怪人-地底下的楼梯(02)

时间: 2021-10-01    进入日语论坛
核心提示: 少年はそう言って、ニッコリ笑いました。フサフサしたかみの毛の下に、白いひたい、かたちのいいまゆ、うつくしい目、赤いくち
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 少年はそう言って、ニッコリ笑いました。フサフサしたかみの毛の下に、白いひたい、かたちのいいまゆ、うつくしい目、赤いくちびるから、ニッとあらわれたやえ歯、小林君は、この少年がすっかり、すきになってしまいました。
「さっき電話で聞いたんだけど、宇宙怪人があらわれたんだってね。きみもそれを知っているの?」
「ウン、ぼくもあいつを見たよ。それで、先生は、明智先生にあいたいっておっしゃるのさ。」
「明智先生も、じきここへくるよ。で、きみは、いつ、どこで、宇宙怪人を見たの?」
「ゆうべ、ここで。」
「エッ、ここで。」
 少年は右手で、部屋のガラス窓を、さししめしました。その窓のそとには、このやしきをかこむ森の木が、青黒くしげっています。
「あのガラスのそとから、のぞいていたんだよ。ホラ、あの銀の仮面さ。ぼく、ゾーッとして、気をうしないそうだった。いやな仮面だねえ。」
「それで、どうしたの?」
「先生に知らせたのさ。そして、みんなで庭をさがしたけれど、もう、どこにもいなかった。きっと、空へ飛んでいったのだよ。それから、つい一時間ほどまえに、また、へんなことがあった。ホラ、これだよ。これがうちの玄関のドアにささっていたんだ。」
 少年が、ポケットからとりだしたのは、長さ二十センチぐらいの、銀色の矢のようなものでした。その銀色は、星の国の金属でできているのか、銀仮面と、そっくりの色をしていました。
「日本に、むかし白羽(しらは)の矢っていうのがあったんだってね。白羽の矢が屋根にささったうちが、悪ものにねらわれるんだって。先生は、それとおなじ意味(いみ)だろうと、おっしゃるのだよ。つまり、宇宙怪人はしゅうねんぶかく、うちの先生を、さらっていこうとしているのさ。」
「フーン、それで、明智先生に電話をかけたんだね。」
「そうだよ。うちのまわりには、いま、たくさんの刑事が見はりをしているけれど、それでも、安心ができないんだ。」
「で、きみの先生は、どこにいらっしゃるの? ぼく、あえるかしら。」
「ウン、きみをまっていらっしゃる。いま、つれてってあげるよ。先生は、だれも近よれないところにいらっしゃる。ふかいところだよ。」
「エッ、ふかいところって、地下室なの。」
「そうじゃない。いまにわかるよ。さあ、行こう。」
 うつくしい少年は、さきにたって、部屋を出て、廊下を、なおも、おくのほうへすすむと、やがて、ゆきどまりのかべのまえに出ました。
 少年は、かべのすみに、手をやって、かくしボタンでも押したのでしょう。目のまえのかべが、みるみるうごきはじめ、そこに人間が通れるほどの入り口ができました。
「さあ、この中だよ。暗いから気をつけてね。」
 黒い穴のような入り口をはいると、そこは、せまいトンネルのような場所で、きゅうなコンクリートの階段が、ずっと下のほうへ、つづいていました。
 少年をさきに、小林君はそのあとから、ソロソロと、階段をおりはじめました。すると、うしろのかべが、また、もとのとおりに、スーッと、しまってしまいました。
 トンネルには、小さな電灯がついているばかりで、まるで炭坑の中へでもはいったような、きみ悪さです。下を見ると、暗くて、よくわかりませんが、ふかく、ふかく、無限の地の底へでも通じているように、思われます。
 その階段を十五、六段もおりたときに、小林少年は、なんだかおそろしくなって、まえの少年に声をかけました。
「まだ、おりるのかい。もう、地面より、ずっと下に来ているとおもうが、いったい、どこまでおりるの?」
「まだだよ。もっとふかいんだ。先生が発明した、かくれがだからね。きみは、いまに、びっくりするよ。いくら宇宙怪人だって、とても、あすこまでは来られやしない。ほんとうは、先生は、ちっとも心配することはないのさ。こんな安全なかくれ場所なんて、どこをさがしたって、ありゃしないからね。」
 そして、ふたりの少年は、さらに、ふかく、ふかく、底しれぬやみのトンネルを、くだっていくのでした。

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