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宇宙怪人-海底大战(02)

时间: 2021-10-02    进入日语论坛
核心提示: いや、そうではありません。しゅうねんぶかい怪物は、もっとおそろしい、いたずらをはじめたのです。 小林少年は、前のほうば
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 いや、そうではありません。しゅうねんぶかい怪物は、もっとおそろしい、いたずらをはじめたのです。
 小林少年は、前のほうばかり見ていましたが、その目のすみに、なにかしらモヤモヤと動くものが、感じられました。オヤッと思って、そのほうを見あげると、展望ガラスの天井に、うす黒い大きなものが、くっついていました。ひかりのほうばかりを見ていたので、そのうすぐらいところは、よく見わけられないのです。
 展望ガラスに、大きなタコが、すいついたのでしょうか。なんだか、そんなふうな、いやーな気持ちがしました。じっと見ていると、そのものが、だんだんハッキリしてきました。
 タコではありません、人間と同じぐらいの頭があります。その頭のかっこうが、どこか、鳥に似ているのです。ギョッとして、よく見ると、水かきのある大きな手が、ペッタリとガラスにすいついているではありませんか。小林君は、せなかに水をかけられたように、ゾーッとしました。助手の美少年も、それに気がついたのでしょう。あわてて、台をおりると、博士のほうにむいてさけびました。
「先生、たいへんです。あいつが、展望ガラスに、とりついています。」
 それを聞くと、博士も、いそいでガラスの下に来て、そのほうを見あげました。厚いガラスをへだてて、うすぐらい海の底で、虎井博士と宇宙怪人とが、にらみあったのです。怪物の、歯のない大きな口が、パクパクとうごいています。博士のわるぐちを言っているのかもしれません。それとも、ヘラヘラと笑っているのでしょうか。
「ちくしょう。いよいよ、さいごの手段だ。いまに、思いしらせてやるぞ。」
 博士は、くやしそうにどなって、運転席にもどりました。しかし、どうして、思いしらせるのでしょう。あいてが、潜航艇にしがみついてしまっては、手も足もない機械ですから、はらいおとすことも、どうすることもできません。怪物は、うまい戦法をとってきたものです。
 ところが、虎井博士は、こういうさいにつかうために、さいごの武器を用意していました。さすがは天才発明家です。あらゆるばあいが考えてあったのです。
 小林君が、こんどは、どんなことがおこるのかと、ドキドキしてみていますと、また、シューッという、はげしい音がしました。へさきのほうから、サーッと、まっ黒なものが、とびだしました。そして、それが、まるでポンプが水を出すように、いつまでもつづいているのです。発射されたのは、おびただしい、まっくろな液体だったのです。
 その液体は、発射されて、しばらくすると、モヤモヤと黒雲のように、海水の中にひろがりました。(てい)は、その黒雲のまっただなかへ、つきすすんでいくのです。つまり、潜航艇ぜんたいが、黒い液体につつまれてしまったのです。
 あとで聞いたのですが、この液体は、おそろしい猛毒を持っているのでした。黒雲のような中に、はいったさかなは、たちまち死んで、うきあがってしまうそうです。怪人も、艇にとりついていれば、その毒をすわないわけにはいきません。そうすれば、いくら星の世界の生きものでも、やっぱり毒にやられて、死なないまでも、逃げる力を、うしなってしまうにちがいありません。
 潜航艇は、もう動かなくなりました。黒雲の中に停止して、思うぞんぶん、怪人に毒液をすわせてやろうというわけです。
 展望ガラスの上にも、モクモクと、黒い煙のような毒液が、おおいかかってきました。そのために、あたりは、まっくらになり、もう、なにも見えません。ガラスにとりついていた怪人のすがたも、消えてしまいました。黒い液体のために、見えなくなったのかもしれません。それとも、ガラスを、はなれて、逃げだしたのでしょうか。小林君は、まるで、爆弾の煙につつまれたような、なんともいえぬおそろしさに、からだを石のように、かたくして、立ちつくしていました。
 しかし、やがて、黒雲のような毒液は、すこしずつ、すこしずつ、うすく、なってきました。海の中へ、ひろがっていくからです。今まで、まくをしめたように、見えなかったヘッドライトのひかりがボンヤリと見えてきました。それが、みるみる、明かるくなっていくのです。
 しばらくして、展望ガラスから、そとのけしきが見えるようになるのをまって、小林君は、あたりをながめました。虎井博士も、そこへ来て、怪人のすがたを、さがしもとめました。
 しかし、いくら見まわしても、あのいやらしいすがたは、まるで、とけてでもしまったように、どこにも、見あたらないのでした。
 虎井博士は、潜航艇を動かして、そのへんの海の底を、くまなくしらべましたが、どうしても見つかりません。なにしろ、あいては星の世界の怪物のことですから、地球の動物なら、たちまち死んでしまうような毒薬にも、へいきなのかもしれません。潜航艇が黒い液体につつまれて、じっと動かないでいるあいだに、怪人は水面にうきあがり、コウモリのはねをひろげて、空たかく逃げさってしまったのでしょう。

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