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「最高のおくりもの」

时间: 2016-08-14    进入日语论坛
核心提示:「お母さん、どうして、どうして、どうして、どうして。」と泣き叫びながら階段をかけおりてきた二男。十一才の冬のこと。私は二
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「お母さん、どうして、どうして、どうして、どうして。」と泣き叫びながら階段をかけおりてきた二男。十一才の冬のこと。
私は二人の息子を一生懸命育ててきた。子育て中に小さな失敗は数々あったが、私の最大にして最悪の失敗が二男十一才の冬におきたことだ。
我が家では、長男が生まれた時に主人と一年に一度クリスマスにサンタクロースがやってくる家にしようと話し合った。毎年息子たちに分らないようにそれぞれが欲しがっている物をこっそり買ってクリスマスの朝、二人の枕元に置いた。サンタクロースからの手紙を添えて。「一年間良い子にしていたね。」「兄弟仲良く遊びなさい」など、それぞれの年齢に応じた書き方で主人や私が手紙を書いていた。
プレゼントは何日も前から買って、押し入れや車のトランクに隠しておいた。1おもちゃや本、サッカーボール、テレビゲームなど、小さな物は隠すことが簡単だったが、大型の自電車の時は見つからないかとヒヤヒヤだった。でも、一番苦労したのは、猫をお願いされた時。主人は大の猫ぎらい。犬なら考えてもいいが、猫だけは絶対にダメだという。何とか別の物に変更させようとしたんだが、三才の二男は、小さな手を合わせて毎日のように「猫ください」という。そこで思いついたのはハムスターだった。手紙には、「まだ二人が小さいのでお世話をするのが大変だから、まず小さなハムスターでお世話の練習をしてね。」と書き、ハムスターのケージと一緒に枕元に置いた。朝起きた時の子どもたちの驚いた顔。二人に見つからないように三日間こっそりとえさをやった会があったと、一人ガッツポーズをした。
それからも毎年毎年子どもたちの希望を叶えてやろうとクリスマス前、私達夫婦は奔走した。いつ頃からか、サンタさんにお礼をしなきゃと枕元にクッキー三枚と牛乳を一杯置くようになっていた。そんな幸せなクリスマスが続いて十一年の月日が流れた。「今年はサンタさんに何頼む」と言う私の質問に、長男が「そのことなんやけど、お母さん、本当にサンタクロースっておると?友人がみんなバカやんって。サンタクロースとかおるわけないやんっていうっちゃ。○○ちゃんは一回も来たことないって。クリスマスはおばあちゃんにプレゼント買ってもらうって。僕はおると思うけど、みんなが絶対おらんって言うし......」と聞いてきた。
「ついに来たなー」と主人。二人で話し合って、真実を打ち明けることにした。サンタクロースからの手紙に事実を書いてプレゼントと一緒に置いた。長男が何と言ってくるか心配だった。その夜、長男から手紙をもらった。読み進めていくうちに涙が溢れた。表に「お父さんお母さんへ」と、裏には「サンタクロースの息子より」と書いてあった。
内容は「もしかしたらお父さんがサンタクロースかもと思ってたけど、今までのクリスマスのことを考えると、やっぱりサンタクロースはおるって思ってた。でも友達から絶対おらんって言われて、わからなくなってた。だから教えてくれてありがとう。1でも、ハムスターの時は、どこに置いとったか本当に不思議です。弟には、まだ言わないからね。それから、大人になったら世界中の子供たちのサンタクロースになります。」と書いてあったのだ。それからの数年、長男はとてもステキなサンタクロースの助手だった。クリスマスの朝、窓を開けて大きな声でそれに向かって「サンタ三ありがとう」と言うのが我が家のならわしだったのだが、長男は弟と一緒に言ってくれた。私の方を向いて、ニヤっと笑いながら。
そして訪れた二男十一歳の冬。友達からサンタクロースはいないといわれ、兄に聞いてきたらしい。助手は、こっそりと私に言ってきた。「そろそろ本当のことを教えてやったら。僕のときと同じ年やもん」「そうだよね」ということで、兄の時と同じような内容の手紙を書いて二男の枕元にプレゼントと一緒に置いたのだ。
そして迎えたクリスマスの朝。
彼は、大声の泣き叫びながら階段をおりてきたのだ。
「どうして、どうして、どうして、信じられん。信じられん。なんで、なんで、教えたと?なんでこんな手紙書いたと?まだ信じとったのに。サンタクロースはおるのに。サンタクロースはおるんよ。絶対。」と次々に出てくる彼の言葉。手紙をくしゃくしゃにして投げつけられた。私はどうしていいかわからず立ちつくした。すると、長男が「僕にまかせて」と弟の肩を抱き、話をしに二階へ上がった。これまでも成長のスピードは兄弟それぞれ違っていた。それは分かっていたはずなのに。二男の純粋な心を傷つけてしまった事をずっと後悔した。それから数日たっても次男はサンタクロースについての気持ちは、何も教えてくれなかった。
しばらくたったある日。
「お母さん、牛乳は誰が飲みよったと?お父さん牛乳すかんやろ。無理して飲んでくれよったと?サンタクロースがお父さんってわかっとったら、ビールおいてやっとけばよかったね。僕、クリスマスがくるのが楽しみやったよ。ありがとう。」と二男が照られくさそうに話してくれた。
サンタクロースの助手は、いったいどんな話をしてくれたのだろうか。打ちあけるのが少し早すぎた私の失敗をフォローしてくれた長男の、そして二男の成長が嬉しくて涙が出た。
2クリスマスが来るのを一番楽しみにしていたのは、主人と私。サンタクロースからプレゼントしてもらっていた二人の息子の笑顔は、私の心の宝箱にずっとずっとしまってある。
「サンタさん、最高のおくりものを本当にありがとう。」
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