予定より3週間前に破水し、病院にたどり着いたときは「もうすぐ会えるんだな」などと呑気に考えていましたが、周りがばたばたと慌ただしくなり、先生が私のところに来て「赤ちゃんが危ないから、すぐ手術して出しましょう」と言いました。
頭の中が真っ白になりました。「わかりました」と頷くことしかできず、指示通りに必死に深呼吸したり体の向きを変えながらも「どうしようどうしよう」とそれしか考えられませんでした。
赤ちゃんは引っ張り出されましたが、泣き声はせず「蘇生!」と指示を出す先生の声が聞こえました。
ほどなくして赤ちゃんは元気よく産声をあげました。「お母さん、よく頑張ったね」と言われ、涙が出ました。そのとき「ああ私はお母さんになれたんだな」と思いました。でもきっと赤ちゃんも生まれてくるためにすごく頑張ったんだなと思い、すごく赤ちゃんが愛しく大事に思えました。
そしてこうやって私も母から生まれてきたのだと自分の母にも感謝の気持ちがわいてきました。
その夜、私は母に「私のことを頑張って生んでくれてありがとう。私もこの子を大切に育てます」とメールしました。「子育ては親育てです。一緒に成長してください」と返事が来ました。
親子でまだまだスタートラインですが、これからも一緒に成長していこうと思います。