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「世界で一番たいせつな絆」

时间: 2017-09-03    进入日语论坛
核心提示:私は、小学3年生の時、自分は母の実の娘でない、と疑ったことがある。秋、窓を閉めて寝る季節の頃だった。母は毎週日曜日の夜9
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私は、小学3年生の時、自分は母の実の娘でない、と疑ったことがある。秋、窓を閉めて寝る季節の頃だった。母は毎週日曜日の夜9時から10時の間に自分の部屋にこもり、決して襖を開けてはいけない、と言った。新たなる法律制定により、私はそれに従った。
だけど、それにしても、一体全体、母は何をしているのか?なぜ私は見てはいけないのか?見られてはいけないものでもあるの?何か秘密でもあるの?秘密・・・?そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。
もしかして、母は「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか?隠れて織物を織っているのではないか?実は「雪女」で、襖を開けたら、真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか?私は、そんな化け物たちから生まれたのか?じゃぁ、私は桃太郎か?もしそうだったらどうしよう?黍団子あげるから、鬼退治に行ってきなさい、って言われたらどうしよう。怖いやん。めちゃ怖くて、泣きそうやん。壁の落書きのにわとりが、ろばと犬と猫を連れてくるから、いっしょに逃げ出せ!ところが私はガリバーのように、この座布団に縛り付けられ、どこにもいけない。そうだ、玉手箱を開けると、何かいいことがあるかもしれない。竜宮のお姫様は開けるなって言ったけど、お母さんは開けてしまったかもいれない。襖の向こうで、髪が真っ白のおばあさんになっているかもしれない。ぁぁぁ、、、
こんな秘密を持つなんて、きっとお母さんは私が嫌いなんだ、実の娘じゃないからだ。私はなんてかわいそうな娘だ。泣きたくなって、襖を開けてしまった。すると、母はなんと腕立て臥せの真っ最中。
「こら、開けたらあかん、て言うたやん」
もうすぐ運動会で、教師の母は、競争に勝つために、特訓中なのだった。
「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのぉ。はあ、もうええわ。やめよっ。」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。そこで、べたべたとくっつく、しけたしょうゆのあられ、それをひとつづつ5本の指先につけ、指をなめずに食べた。これ、母と私のおもろい食べ方。
「いつものことやけど、こうして食べたら、なぜか、おいしいなぁ~」
と、にちゃっと笑う母。で、私は5本の指を寄せて、5つのおかきを同時に口に入れるという技を極め、母の絶賛と大笑いを得るのだった。こんなことで絶賛してくれるのは実の親以外あり得ない。間違いなく私は母の子である!すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。
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