しゃしんやさん
小川未明
あつい
そこへ、かみの ながい しゃしんやさんが はいって きて、
「ひとつ うつさせて くださいませんか。」
と たのみました。この しゃしんやさんは きかいを さげて、ごようを ききに あるくのです。
「
と、おかあさんは おっしゃいました。
「かしこまりました。」
しゃしんやさんは、
おねえさんは
「ぼっちゃん、お
と、しゃしんやさんが いいますと、
「ぼっちゃん、いい
と、しゃしんやさんが いいますと、
これを みて いた おともだちは、
「
と、おかあさんが おっしゃいました。
「いいえ、ぼっちゃんも おぎょうぎが よろしいですよ。さあ、うつしますから。」
と、しゃしんやさんが うつそうと しました。
すると、
「この つぎに しましょうか。」
と、おかあさんは おっしゃいました。
かんがえて いた しゃしんやさんは、すっかり うつす よういを してから、
「さあ、おじょうさんも ぼっちゃんも、ようく おかあさんの おかおを ごらんなさい。」
と いいました。
ふたりは、やさしい おかあさんの おかおを みました。かたときも わすれない おかあさんだからです。
その とたん、パチンと
「よく とれました。」
と、しゃしんやさんは あいさつを いたしました。