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少年の日の悲哀(2)

时间: 2022-11-07    进入日语论坛
核心提示:二ボンは、おとなしい犬いぬでありました。それにかかわらず、この犬いぬを悪わるくいったのは、この隣となりのいじの悪わるいば
(单词翻译:双击或拖选)


ボンは、おとなしいいぬでありました。それにかかわらず、このいぬわるくいったのは、このとなりのいじのわるいばあさん一人ひとりではなかったのであります。もう一けん近所きんじょに、たいへんにいぬこわがる子供こどものあるうちがありました。ほかの子供こどもらは、みないぬといっしょになってあそんでいましたのに、その子供こどもだけは、どういうものか臆病者おくびょうもので、いぬるとこわがっていたのです。そして、ボンがりながら、なつかしそうにその子供こどものそばへゆきますと、子供こどもいぬあたまをなでてかわいがろうとせずに、のつくようにきたってうちけこむのでありました。
「どうしたんだ。」
と、びっくりしてその子供こども母親ははおやうちからしてきます。すると子供こどもきじゃくりをしながら、
いぬっかけたんだ。」
といいます。母親ははおやはこれをいて、
「ほんとうにわるいぬだ。あっちへゆけ。」
といって、おとなしくしているボンをぼうでなぐったり、また、ものをぶつけるまねなどをしてうのです。
「おばさん、いぬはなにもしないんですよ。」
と、三郎さぶろうはじめ子供こどもがいいましても、その子供こども母親ははおやみみれません。なんでもいぬわるいことにしてしまって、ボンをるといじめたのであります。
ボンはとなりのばあさんと、その弱虫よわむし子供こども母親ははおやから、さんざんわるくいわれました。
三郎さぶろうや、あんなに、ご近所きんじょでやかましくおっしゃるのだから、ボンを、だれかほしいというひとがあったら、やったらどうだい。」
と、あね祖母そぼが、三郎さぶろうにいいました。
三郎さぶろうはそこでかんがえました。しかしどうかんがえてみましても、ボンにすこしのわるいとこところがありませんものを、そして自分じぶんがこんなにかわいがっていますものを、ほかにやらなければならぬという理由りゆうがないとおもいました。
「だっていぬがなんにもしないのに、いぬをしかる道理どうりがない。これは人間にんげんのほうが、かえってわるいのじゃありませんか。ぼくはいくら近所きんじょでやかましくいったって、いぬわるくないのだから、ほかへやるのはかわいそうでなりません。もしほかへやったら、どんなにかなしがってくかしれません。」
と、三郎さぶろうは、あね祖母そぼにいいました。
となりのばあさんは、いぬをしかりながら、自分じぶんうちねこはひじょうにかわいがっていました。もし夜中よなかそとで、ねこねことけんかでもしていますと、ばあさんはきてて、物干ものほしざおをってきて、ねこがけんかをしていているほうへゆきました。そして、自分じぶんうちねこかっているほかのねこいたりなぐったりしたのです。
あまりばあさんが自分じぶんかってのものですから、三郎さぶろうはあるのこと、となりねこをしばらくのあいだかくしてやりました。するとばあさんは、きちがいのようになってねこさがしてあるきました。
「チョ、チョ、チョ、みいや。こう、こう、みいや、みいや……。」
とわめきながら、四辺あたりあるきまわりました。そして、しまいには一けんけん、よそのうちおとずれて、
うちねこはきていませんでしょうか。」
と、いてあるきました。三郎さぶろうは、あまりばあさんがをもんでいるのをて、はじめはおもしろうございましたが、しまいには不憫ふびんになって、ついにねこはなしてやりますと、ばあさんはびたつばかりにねこきあげてよろこんでいました。
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