月とあざらし
小川未明
一ぴきの
「どこへいったものだろう……
あざらしは、こう
「どこかで、
いままで、
「あざらしさん、あなたは、いなくなった
「あなたは、ごしんせつな
「しかし、あざらしさん、
その
あざらしは、
「あの
あざらしは、こんどその
「もし、もし、あなたは、これから、どちらへおゆきになるのですか……。」と、あざらしは、このとき、
「さあ、どこということはできません。
「ずっと
「そんなら、あなたとお
こうして、じっとしているうちに、あざらしはいつであったか、
「さびしいか?」といってくれたことを
「さびしくて、しかたがない!」といって、
すると、