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角笛吹く子(1)

时间: 2022-11-26    进入日语论坛
核心提示:角笛吹く子小川未明町まちの四よつ角かどに立たって、一人ひとりの男おとこの子こがうろうろしていました。子供こどもははだしで
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角笛吹く子

小川未明


まちかどって、一人ひとりおとこがうろうろしていました。子供こどもははだしで、あしゆびあかくしていましたけれど、それをにもかんじないようでありました。みじかくろ着物きものをきて、びた頭髪とうはつは、はりねずみのようにひかっていました。
子供こどもは、このあたりのものではないことはよくわかっています。まえには、こんな子供こどもがこの付近ふきんあそんでいたのを、だれも、たものがないのでありましょう。きっとどこかからやってきて、かえみちまよったにちがいありません。けれど、なかなかきかぬ子供こどもは、それがために、けっしてすようなことがなかったのです。
まちには、もうゆきがたいていえかかっていましたけれど、なおところどころにのこっているのがえました。子供こどもは、くるまがいったり、きたりしますのをまるくして、おびえながらながめていましたが、あまり自分じぶん注意ちゅういをするひともありませんので、やっと安心あんしんしたように、いくらかおちついたらしいようすでありました。ちょうどやまがらすがさとてくると、さとんでいる、たくさんのからすに、たかっていじめられるように、子供こどもには、まちとお人間にんげんおそろしかったのです。
だれも、自分じぶんめるものがないとると、子供こどもは、そのそばにあった時計屋とけいやみせさきにゆきました。そのみせには、ガラス内側うちがわに、宝石ほうせきはいった指輪ゆびわや、金時計きんどけいや、ぎん細工さいくをしたえりかざりや、寒暖計かんだんけいや、いろいろなものがならべてありましたが、なかにも、一つのおもしろい時計どけい目立めだっていました。
それは、ふくろうの時計どけいで、びょうきざむごとに、ふくろうの眼球めだましろくなったり、くろくなったりしたのです。
そして、時計とけいはりしろばんおもてうごいていました。そのときはまだ、昼前ひるまえでありましたが、いちじるしくながくなったのが子供こどもにもかんじられました。
みなみほうそらいろは、緑色みどりいろにうるんで、あたたかな黄金色こがねいろひかりは、まちなかってきました。それを見上みあげると、子供こどもは、いつかこのまちとおったことがあったのをおもしました。そのときは、ゆきさかんにっていました。北風きたかぜがヒューヒューとって、まちなかは、晩方ばんがたのように、うすくらかったのです。みじかくて、時計とけいはりが、しろばんをわずかばかりしかきざまないうちに、もうれかかるのでありました。
人々ひとびとは、みんな吹雪ふぶきおとおどかされて、をすくめまちなかあるいていました。じきにくらくなると、どこのいえはやくからめてしまって、まちなかんだようになりました。そのあとは、まったくかぜゆき天地てんちで、それはたとえようのないほど、さかんな景色けしきでありました。子供こどもはそれをわすれることができなかったのです。子供こどもは、こうした吹雪ふぶきるのが大好だいすきでした。そして、黄金色こがねいろひかりると、不思議ふしぎ気持きもちがわるくなって、頭痛ずつうがしたのであります。
子供こどもは、ふくろうの眼球めだまが、しろくなったりくろくなったりするのを、もう見飽みあきてしまいました。そして時計屋とけいやみせさきをはなれますと、また、どっちへあるいていっていいかわからずに、うろうろとしていたのであります。
いくらつよ子供こどもでも、いまはしそうなかおつきをせずにはいられませんでした。
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